クイック+送球が3.5秒以下ならアウト…専門家が語る盗塁論(3)筑波大・川村卓准教授
2022/08/19
ランナーが考えなければいけないことは?
──足が速い選手の場合、一次リードから二塁到達まではどのぐらいかかるものでしょうか。
川村 3・5秒前後ですね。ここにスタート時の0・3秒を加えると、少なくとも3・8秒はかかる計算になります。二塁ベース上のタッグ(タッチ)に0・2秒かかると考えても、クイック+送球が3・5秒であれば、計算上はアウトになるということです。
──数字だけ見れば、盗塁を決めるのは難しいことはわかりました。そのうえで、ランナーが考えなければいけないことは何でしょうか。
川村 ポイントはふたつあります。ひとつは、ピッチャーのクセを把握して、ピッチャーの動き出しよりも速く走り出すこと。そこに反応時間が加わるため、結果的には足が上がったと同時に走り出すことになります。もうひとつは、スタートからできるだけ短い距離で最大スピードにまで持っていくこと。このふたつを実践できるランナーは、必然的に盗塁成功率が上がっていくはずです。