かつての無名校が甲子園を沸かせた…優勝候補・大阪桐蔭を打破した下関国際の歩み【高校野球】
2022/08/19
産経新聞社
8強入りに沸いた4年前の夏
3季連続出場となった18年夏は、学校の歴史を塗り替える戦いぶりを見せた。初戦の相手は岩手の強豪・花巻東。「4番・エース」の鶴田克樹(現・東京農業大)が10回2失点と力投すると、延長までもつれ込んだ接戦を制し4-2で勝利。甲子園初白星をつかんだ。
2回戦の創志学園(岡山)戦は2点を追う9回に相手の好投手・西純矢(現・阪神タイガース)から3点を奪い逆転。5-4で勝ち上がると、木更津総合(千葉)との3回戦も4-1で勝利した。準々決勝では日大三(西東京)と当たり2-3で惜敗したが、4試合すべてで好ゲームを展開し、大きな爪痕を残した。
中でも高校野球ファンの印象に強く残ったのが、鶴田の熱投。140キロ台のストレートとスライダー、ツーシームなどの変化球を武器に2回戦は9回4失点、3回戦は9回1失点、準々決勝は8回3失点と2回戦以降も全試合で完投し、エースの役割を全うした。
今大会ベンチ入りしているメンバーは、18年当時は中学生。県外出身者がほとんどだが、4年前の快進撃を見て進学を志した選手も少なくない。途切れそうになりながらも、確かに紡がれてきた下関国際の歴史。20日、近江(滋賀)との準決勝で次の1勝をつかみにいく。
文 川浪康太郎