ドラフト有力候補にあがるも、チームに残留 小畑彰宏(大阪ガス)が選んだ道
2014年のドラフトでは、小畑彰宏(大阪ガス)も有力候補として名前があがっていた。しかし小畑は指名されなかった。それもそのはず、すでに大阪ガスへの残留を決めていたからだ。
2014/11/01
Keiji Tokuyoshi
大学時代、わずか1勝の「遅咲き」右腕
人には様々な成長曲線がある。
高校時代から華々しい活躍をみせる者。大学に入ってから急成長を遂げる者。そして、社会人野球で花開く者。いわゆる「遅咲き」というヤツだ。
スポーツ紙などで今季ドラフト有力候補に挙げられていた小畑彰宏(大阪ガス)も、その系譜に入るだろう。
08年夏に鳥取西で甲子園出場も初戦敗退に終わった小畑は、翌年、東都リーグの強豪・青学大に入学。
1年春から早くも登板を果たすも、1学年上の垣ヶ原達也(現日立製作所)や石井裕大、同学年かつ08年夏の甲子園優勝投手・福島由登(現ホンダ)らの陰に隠れ、結局4年の秋に挙げた1勝のみに終わった。
大阪ガスでは、チームの謹慎明け初の公式戦となる昨春スポニチ大会や都市対抗の初戦で、新人ながら大事な先発を任されるなど、首脳陣は小畑の潜在能力に大いに期待を寄せていた。しかし、昨秋以降は調子を崩し、今季も5月~6月上旬にかけて行われた都市対抗予選まで、好不調の波が激しかったという。
ところが、7月の都市対抗本戦では一転。全試合救援で、セットアッパーとして目覚ましい活躍ぶりをみせる。
初戦の三菱重工名古屋戦では、4点ビハインドという劣勢の場面で登板。5回1安打5奪三振無失点の超ロングリリーフで逆転勝利の呼び水となると、3回戦のホンダ戦では最速146キロの速球で押し、自身の大会初白星でチーム14年振りのベスト8に貢献。初の大会優秀選手にも選出され、一躍ドラフト有力候補に躍り出た。
果たして。小畑が、本戦まで1カ月余りという短期間で「覚醒」した理由は、一体どこにあるのか。