「青春って、すごく密なので」仙台育英・須江航監督から“心に響く言葉”が生まれる理由【第1回】
2022/12/01
産経新聞社
「青春は密」に込めた気持ち
「『青春は密』がここまでクローズアップされるとは、まったく思っていませんでした。ありがたいですね。あの言葉は、仙台育英の優勝とセットですから。選手を含めて、関わっている人間にとって、いい思い出になります。『ダメだ、ダメだ』と密になる活動を制限される中でも、こんなにも高校生は頑張っているんですよと、私なりに全国の高校生を称える言葉でもありました」
日本一を果たしたあと、祝福のメッセージがおよそ7000通届いたという。ツイッターやフェイスブックのアカウントを持っているため、面識がない人からのメッセージも多数あった。
「学校の先生からは、『私たちのやるせない気持ちを代弁してくれて、ありがとうございました』という言葉をいただきました。高校生の子どもを持つ保護者や、現役の高校生からも、『先生の言葉に感動しました』とメッセージが届きました。あのインタビューによって、『そうだったよね、青春って密だったよね』と思い出すきっかけになっていただけたら、嬉しく思います」
今年で39歳。「もう、おじさんです」と笑うが、高校生と一緒にいる時間が長い分、「高校生寄りの感覚なんですよね」と、目の前にいる生徒に想いを寄せる。
「高校生の二度と返ってこない青春の時間が奪われてしまうのが、本当にやるせない。これを言ったら怒る人もいるかもしれませんが、大人の1年よりも、子どもたちの1年のほうが“密”ですから」