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コロナ禍でも“密な青春”。必ず人生の財産に…仙台育英・須江航監督が語る「密の在り方」【第2回】

2022/12/05

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産経新聞社



39歳、今も青春真っただ中

 大学を卒業して、23歳で仙台育英秀光中の軟式野球部の監督となり、31歳の年に全国中学校軟式野球大会で優勝。そして、35歳で高校の監督に就き、この夏、39歳で甲子園を制した。
 
「今も青春ですね。生徒から、青春を与えていただいている。これは、謙遜でも何でもなくて、本当に心からそう思っています」
 
 柔和な表情で、言葉を続ける。
 
「彼らと一緒にいることで、季節を感じられるんですよね。勝負の夏に向かって、秋、冬、春と、ひとりひとりが成長していく。それまで、できなかったことができるようになる。勝った負けたもありますけど、選手たちが成長する姿を見られたときが、指導者として一番嬉しい。それは中学生を見ていたときも、高校生を見ていたときも変わりません。選手のおかげで、本当に楽しい時間を提供してもらっています」
 
 物理的に、“密”を作るのは難しい社会情勢であるが、「うちの3年生に聞いてみてください。きっと、『青春は密でした』と言うと思いますよ。コロナ禍でも、それだけの取り組みをしてきましたから」と自信を持つ。
 
「“密”の在り方は、物理的な近さだけではないと思います。距離は遠いけど、時間を共有していたり、関わり合いが濃かったり、さまざまな工夫で“密”を生み出してきました」
 

 
 2020年春に、新型コロナウイルスが広まり始めたときから、ZOOMやSlackを取り入れ、離れた場所にいても、互いの想いを共有できるように工夫を凝らした。ZOOMの利用は今も継続している。
 
「1年1年過ぎるたびに、コミュニケーションの機会をより増やして、関わり合いの濃さを作るように心がけています。どれだけ、“密”にできるか。プレーで手本を見せられない私が唯一できることは、選手の話を聞いて、彼らの思考を整理して、進むべき方向を一緒になって考えることです」
 
 指導者はサポーターであり、パートナーであり、相談役。それが、須江監督が描く指導者像だ。

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