仙台育英監督は“大阪桐蔭マニア”!? 敵将から得た学び「全員を出場させることはできないが…」
2022/12/18
産経新聞社
2年生右腕が主戦となったのは…
2022年は、6月下旬に練習試合をさせてもらいました。夏のベンチ入り候補のピッチャーを5人つないだ結果、終盤に突き放されて負けたのですが、試合後に大きな収穫がありました。大阪桐蔭の選手に、「いつも、『大阪桐蔭、大阪桐蔭』って言っていて、本当ゴメンね。ところで、教えてほしいことがあるんだけど、たくさん投げたピッチャーの中で誰が一番良かった? 最初の左? 左の速いの? 右のスラッとした子?」と尋ねると、最初に挙がったのが、夏の甲子園で活躍することになる髙橋煌稀でした。
「右の大きいピッチャーが、とにかく角度があって打ちづらかったです」
その言葉で、夏は髙橋を中心に投手起用を考えるようになりました。大阪桐蔭の選手がそういう見方をしているのであれば、間違いはありませんから。
甲子園で優勝したあと、西谷監督からは「おめでとうございます。うまくやりましたね」とメールをいただいたので、「来年以降も、『大阪桐蔭、大阪桐蔭』と言わせていただきます」と返信をしました。10月の栃木国体で、大阪桐蔭との対決が実現しましたが、1対3で敗れ、スコア以上の差を感じました。今後も、高校野球の王者が大阪桐蔭であることは間違いありません。何とか、追い付いていけるようなチーム作りを進めていきたいと思っています。
書籍情報
『仙台育英 日本一からの招待』
定価:1870円(本体1700円+税)
2022年夏 東北勢初の甲子園優勝!
「青春は密」「人生は敗者復活戦」「教育者はクリエイター」「優しさは想像力」
チーム作りから育成論、指導論、教育論、過去の失敗談まで、監督自らが包み隠さず明かす!
『人と組織を育てる須江流マネジメント術』
<有言実行!夢の叶え方>
基準と目標を明確化 努力の方向性を示す
選手の声に耳を傾け、主体性を伸ばす
データ活用で選手の長所・短所を〝見える化”
日本一激しいチーム内競争の先に日本一がある
高校野球が教えてくれる、本当に大切なことを学ぶ