【2016ドラフト候補の主将】創価大・田中正義、大学球界No.1投手の矜持。「野球だけの人間にはなりたくない」
今秋ドラフト最大の目玉・田中正義(創価大)。今季は自ら主将に立候補し、大学日本一を目指す。
2016/02/17
高木遊
自ら直訴しての主将就任
「投手の主将は(33年の創価大監督歴で)24年ぶり2人目かな。24年前は野手に頼れる選手がいなくて任命した形だったけど、今回は正義が直訴してきた。これは今までにないことだし、正義はそういうタイプじゃないと思っていたからビックリした」
創価大・岸雅司監督は、田中正義(4年・創価高)が主将就任を直訴してきた夜をそう振り返った。
「急に思いついたわけではなく、横浜市長杯(明治神宮大会関東代表決定戦)が始まる前から考えていました。間違いなくチームの顔になる年なので、だったら自分が先頭を走っていかないといけないかなと思いました」と、田中は理由を明かす。
高校時代にも主将を務めたが、それは監督からの任命だった。
本人いわく中学時代までは主将に反発するようなことも多かったため、主将就任に戸惑い「なんで自分だったのか今でも分からない」と苦笑いで振り返るほどだ。
最後の夏の西東京大会準決勝で日大三高に敗れた際は、クールな田中にしては珍しく「苦しいことも多かったので」と涙を流した。
しかし、今回は自ら手を挙げた。
この背景には、田中の精神的な成長とある思いがあった。
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