【野球人の言霊5】センバツ初優勝へ導いた智弁学園・小坂監督の信念
2016/04/01
「人間のやることなんでね。ホームプレートを挟んで並んだ時点で気持ちが負けなかったら、試合には負けないんすよ」(智弁学園・小坂将商監督)
智弁学園がセンバツ初優勝を果たした。監督を務める小坂監督は95年夏の選手権でベスト4に進出したときの主将だ。当時と言えば、奈良県では天理全盛の時代で、2度の全国制覇を果たしたころだった。天理の県内のライバル校・智弁学園にとっては、その存在感に圧倒されることもあった。
しかし、小坂は常に「気持ちで戦う」を前面に出してきたという。
「僕が現役時代の天理はウチとはスケールが違っていました。体はゴツいし、中学時代の実績もすごい。『ボーイズのあいつおる、どこどこのシニアのやつもおる』とか、チームメイトと話してました。すごいやつらやったけど、気持ちは負けんかった。一度、僕の目の前で敬遠されたこともあったけど、その時は気持ちで打ちましたね」
その想いは監督になってからも変わらない。このセンバツでは準決勝、決勝ともにサヨナラ勝ち。
「ホームプレートを挟んで礼をするあの時に、気持ちで負けんことや」
指揮官の信念が乗り移った、智弁学園悲願の初優勝だった。