24大会ぶりJABA長野県知事旗大会を制したHonda鈴鹿。今季、台風の目になる可能性も【横尾弘一のプロにつながる社会人野球】
4月22日から4日間、長野オリンピックスタジアムなどで第58回JABA長野県知事旗大会が開催され、Honda鈴鹿が制した。
2016/04/30
グランドスラム
甲子園、東京六大学で注目を集めたルーキー畔上が猛打
そうして滑り出した今季はしかし、3月下旬の東海地区春季大会一回戦でJR東海に敗れると、4月のJABA静岡大会でもリーグ戦第1戦でパナソニックに快勝したものの、東邦ガスとJFE東日本には完敗。31歳のベテラン左腕・藤本 瞬を除けば投手、野手とも満28歳が最年長という若いチームだけに、少しでも歯車がズレると脆さを見せてしまう。そんな嫌な流れを払拭しようと臨んだのが長野県知事旗大会だった。
リーグ戦第1戦では、昨年優勝の信越硬式野球クラブに3-2で競り勝ったが、第2戦では新鋭のカナフレックスに1-2で敗れてしまう。それでも、負ければリーグ戦敗退となる東芝との第3戦は、3点リードを追いつかれても再び突き放し、7-3の勝利で準決勝進出を決める。そして、フェデックスに完勝して挑んだ決勝は、準決勝で強豪・Hondaを延長12回タイブレークで下した東芝とのリターンマッチとなる。
2回裏に1点を先制されるも、直後の3回表に加藤祥平のソロ本塁打で追いつくと、2-2で迎えた6回表には二死一、三塁から眞野恵祐の左前安打で勝ち越し、中村 毅の右越え三塁打で2点を追加。このリードを先発の栃谷弘貴から平井克典、鹿沼圭佑への継投で守り切った。3試合に好投した平井が最高殊勲選手賞、畔上が打率.450で首位打者賞を手にした。
「ミスも多いし、変な負け方をする時もありますが、選手たちは春先から必死に競争にしています。レギュラーになりたいという気持ちを失わない選手には、これからもチャンスを与えていこうと思っている。その競争力が確実にチーム力になっていると感じていますので、都市対抗予選でも発揮できるようにしたいですね」
自信を深めた投手陣は、都市対抗東海二次予選で全試合完封なるか。いや、それが至難の業だとしても、そこを目指して1点ずつでも失点を減らす投球を見せてくれるはずだ。今春のJABA大会では東邦ガス、トヨタ自動車も優勝しているだけに、東海地区の代表権争いは例年以上に激しくなるだろう。