「ポスト鳥谷」ドラ1候補の吉川尚輝(中京学院大)、自らのバットで人生初の全国大会へ
東海地区大学野球選手権が28日に静岡・浜松球場で行われ、中京学院大が初優勝。創部史上初の全国大会を勝ち取るとともに、ドラフト1位候補・吉川尚輝も人生初の全国大会出場を決めた。
2016/06/02
高木遊
全国唯一の巴戦による代表決定戦
「優勝の瞬間は涙が出るほどうれしかったです。決勝打は気持ちで打ちました」と吉川尚輝(4年・中京)は、28日に浜松球場で行われた東海地区大学野球選手権を初優勝し、満面の笑みで優勝の喜びに浸った。
ドラフト1位候補として、鳥谷敬の後釜を探す阪神らが熱視線を送る遊撃手で、5月17日の岐阜県学生リーグ・岐阜経済大戦には、なんとプロ12球団47人のスカウトが集結した。
そんな重圧がかかる中で吉川はリーグ首位打者を獲得する活躍を見せ、チームを東海地区大学野球選手権に導いた。だが、この東海地区大学野球選手権が吉川そして中京学院大にとっての大きな壁となっていた。
東海地区大学野球連盟は静岡7校・岐阜6校・三重5校の計18大学で構成されている。まず各県ごとにリーグ戦を行いその優勝校が、1日2試合の巴戦(東海地区大学野球選手権)で全日本大学野球選手権の出場枠「1」を争う形式を採用している。
(プレーオフではなく、通常規定で代表決定戦を巴戦で行うのは同連盟が全国で唯一)
吉川の所属する中京学院大は、春の岐阜県学生リーグを2年続けて制したものの、2014年は静岡大、2015年は皇學館大(三重)の前に敗れ、初の全国大会出場を目の前にして悔し涙を飲んできた。
それだけに吉川は、「1年生から試合に出場している自分がチームを引っ張らなければいけない」と強い決意を持って臨んでいた。