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夏の高校野球熊本大会、被災した藤崎台球場開催決定の意義。プロ・アマ野球界結束で「復興の第一歩」に

6月21日、熊本県が熊本城の曲郭内にある藤崎台球場の7月10日からの使用再開を決めた。この決定は、単に一つの球場の使用が可能になったということではない。高校球児にとって聖地ともいわれる藤崎台球場が復興に向けての足掛かりとなる。

2016/06/23

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開催が危ぶまれる中、6月21日、使用再開が決定

 こうした状況の中、球場は地震直後から貸し出しを見送る方針を固め、4月19日に予定されていた巨人対中日の公式戦中止を発表。同じ日に熊本県高野連は藤崎台も使用される予定だったRKK旗、RKK招待、NHK旗、沖縄交流戦、県軟式の公式戦5大会を中止すると発表している。
 
 様々なカテゴリーの試合情報をアップし人気を集めている球場ブログも地震直後から情報更新がストップ。そのうえ球場周辺の立ち入りまでもが禁止されたため、球場の現状に関する情報はまるで入ってこなくなった。
 
 そうした中、夏の藤崎台開催は現実的に厳しいのではないかという声が日に日に高まっていく。中には「最後の夏に藤崎台を使えないのは『今年は甲子園ではなく他の球場で選手権大会をやります』と言われているようなもの。災害だから仕方ないとはいえ、やはり地震が憎いですね」と涙ながらに訴える関係者もいたほどだ。
 
 誰もが絶望的観測を抱き、それでもかすかな望みを捨てきれない中で迎えた6月21日、球場を管理する熊本県が「7月10日より使用を再開する」と発表した。
 
 県営八代野球場のメイン格上げや、大会の一部を隣県で開催する案が浮上した時期もある。それでも、夏の使用球場を「未定」として藤崎台再開をギリギリまで待った県高野連にとって、今回の朗報はひとつの“勝利”でもあった。
 
 県が使用再開を発表した以上、熊本野球人たちの思いはひとつだ。
 即日、県高野連は従来通りの10日開幕、藤崎台使用を決定し開会式や決勝戦も例年通り藤崎台で行うことを通達したのだった。

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