早実・清宮幸太郎、進化を証明する夏。一時外野挑戦も、3番・一塁手で勝負【2016年夏 各地区逸材ファイル4】
今年の甲子園も、やはり早実の清宮幸太郎に注目が集まる。昨年の夏の甲子園から秋、春とどのような時間を過ごしてきたのだろうか。
2016/06/29
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4番、外野手で迎えた2年目の春
そして迎えた春の東京都大会、パンフレットに背番号8で登録された。初戦に快勝したが2戦目の都立昭和とのゲーム、4番に入って自身は2安打したが、3番で打線が切れるなど攻撃はちぐはぐ。投手陣は終盤、本塁打で突き放され、まさかの敗戦。「自分が引っ張っていかなきゃいけないのに、情けない結果。夏の本番まで、課題を克服したい」と言った。
「去年のチームよりは力が落ちるんでね。早い段階で負けたんで1年生を試せる。全国から練習試合も招待されているので、いいピッチャーと対戦できる。そういう楽しみがある」と和泉監督。
5、6月にかけては秋田、宮崎、松本(長野)、熊野(三重)での招待試合が組まれた(5月中旬の熊本招待試合は地震の影響で中止)。
松本の試合を観戦した。2試合で7打数5安打、3本塁打、5打点。ホームランは推定140メートル弾を含め、文句ない右翼への打球だった。
この日のホームランはどれも「直球だと思います」とストレートをとらえたもので、初球あり、フルカウントあり。2打席連発あり。「初回の打席、得点圏にランナーがいて、チャンスにホームランが打てて良かった」。
これほど簡単にホームランを打つのか、そんな印象を受ける。オープンスタンスで構え、打席でバットを3度、大きく振ってタイミングを取る独特な清宮スタイル。スイングスピードの速さは脅威だ。最短距離でバットがボールを叩く。このインパクトで完結してフォロースールはむしろ小さいほうだ。去年から修正を加えた点は右足。一本足打法のように高く上げていたが、低い位置までに抑えたことによって、上下動も少なくなり安定感が増している。