東北屈指のスラッガー・石垣雅海(酒田南)。自身初の甲子園出場へ「去年の倍くらいホームランを打ちたい」【2016年夏各地区逸材ファイル6】
酒田南(山形)に「スラッガー」という言葉がぴったりの打者がいる。1年春からレギュラーとして試合経験を積む石垣雅海選手だ。3年春の県大会終了時点で放った高校通算本塁打数は30本。この夏、山形の夏空に何本のアーチを描くのか。
2016/07/05
地元で甲子園を目指すと酒田南へ進学
「カスッ」という音にレフトフライかと思われた打球がフラフラッと上がり、レフトスタンドに落ちた。
今春の山形県大会決勝。1点を追う酒田南は5回2死から3番・塚野雄大が二塁打で出塁すると、打席には石垣。2球目のカーブにフルスイングしたのがそれである。「こすったので、あそこまで飛ぶとは……」と本人も目を丸くした高校通算30号だった。
県大会の準々決勝では、インコースをうまくさばいてバックスクリーンへ運んでいた。6月3週目の新潟遠征で放った本塁打の推定飛距離が150mもあったとの噂もある。
179センチ、86キロの体躯からこすっても本塁打にし、ジャストミートで規格外の飛距離を生む「スラッガー」だ。
地元・酒田市の出身。酒田三中時代に軟式野球で2打席連続本塁打を放つなど、元来のパワーヒッターとして注目された。他校からの誘いもあったが、最終的には「地元で甲子園を目指したい」との思いから酒田南を選択。自宅から学校までは15分ほどで、自転車で通っている。
1年春からサードを守り、6番を打ってスタメン出場した。夏は2回戦から決勝までの計5試合で20打数8安打4打点と1年生ながらチームに貢献。しかし、決勝の守備で挟殺プレーがあったのだが、石垣は悪送球をしてしまい、結局、チームは敗れた。
1年秋はショートを守り、2年春からは外野手。この春からは「幅を広げるため」と、ショートに戻っている。まだ荒っぽいところもあるが、「鍛えれば十分やれる」と話すスカウトが多い。