センバツでプロも注目、長田・園田涼輔。偏差値70超進学校のエースは甲子園に導けるか【2016年夏 各地区逸材ファイル8】
今年の春のセンバツでは21世紀枠で出場を果たした兵庫県・長田高校。県内有数の進学校に、プロが注目する投手がいる。再び、あの甲子園のマウンドへ――園田涼輔の夏がまもなく始まる。
2016/07/07
県下トップクラスの進学校
今年の春のセンバツ。
21世紀枠で選出され、創部94年目で、初となる甲子園に足を踏み入れた長田高校。エースの園田涼輔は、大舞台で九州の強力海星打線を3安打に抑える好投を見せた。
味方のエラーが絡み3失点を喫したが、決して高くなかった前評判を覆し甲子園を大いに沸かせた。
前日まで園田は、「僕が崩れると試合にならない。多くの人に応援してもらっていたので、下手な試合はできない」と大きなプレッシャーを感じていたが、試合後のインタビューで味方のエラーと自身の将来について聞かれると、「想定内。難しい打球もアウトにしてくれた。宿題も溜まっているし、明日からは塾にもいかないといけない。将来は大企業の研究者になりたい」とチームメイトを気遣う対応を見せた。
プロ注目の難関国公立工学部を志望する秀才右腕は、最後の夏にどんな想いで挑むのか。
長田高校は兵庫県神戸市長田区に位置する公立校だ。
公立高校としては、神戸高校、加古川東高校、姫路西高校らと並び県下トップクラスの進学校として名高く、その偏差値は70。野球部に限っても、ここ10年間で東京大学3名、京都大学15名、大阪大学へ20名進学者を輩出しており、毎年200人程の生徒が国公立大学へと進学する。
さらに野球部はここ10年で激戦区の兵庫予選でベスト8に3度進んでおり、陸上部やサッカー部も県で上位とまさに文武両道という表現が当てはまる。
そんな長田を初の甲子園に導いたのは、エースで4番という絶対的存在である園田の存在が大きい。