日米大学野球で株を上げたドラフト候補。右腕トリオの秋に注目
日米両球界での活躍が期待される有望大学生が真っ向勝負を繰り広げた第40回日米大学野球選手権大会は、侍ジャパン大学代表が3勝2敗で2大会連続18度目の優勝を決めた。今回は活躍が目立ったドラフト候補選手たちの戦いを振り返る。
2016/07/24
高木遊
“守護神”田村も苦い経験が今後の糧に
今春評価を急上昇させたという点では、日米大学野球で抑えを務めた田村伊知郎投手(立教大)の名前も挙がる。
報徳学園高時代に「スーパー1年生」と呼ばれ、春夏連覇を果たした興南を苦しめるなど夏の甲子園で好投を見せたが、その後は伸び悩んでいた。
だが今春、調子の上がらない澤田圭祐に代わってリーグ戦後半から1回戦の先発を務め、優勝決定戦となった明治大との対戦では1勝2敗で敗れたものの、3試合連続で先発し好投を続けた。
その実績が評価されて選出された日米大学野球では抑えを務め、140km/h台中盤から後半のストレートを中心に押していき、リーグ戦でも使用していたスライダーと国際大会用に習得した縦の変化球も織り交ぜて、第1戦の1回、第2戦の2回をパーフェクトに抑えた。
一方、第5戦では7回の1死一、二塁から登板し、その後痛恨の満塁本塁打を打たれてしまった。「いつも以上に気合いが入っていたので少し心配はしていました」と横井監督が振り返ったように、気持ちの入る場面でのストレート押しが仇となった。だがその後は8回・9回を踏ん張り、延長10回のサヨナラ勝ちに繋げた。また、ここまで長打力のある打線は日本の大学球界で体感できないため、一発の怖さを実感できたことは、今後より高いレベルで活躍するために、必要なことであったはずだ。
最上級生のエースとして戦ったリーグ戦とメジャーリーガー予備軍といえる大学米国代表と戦った日米大学野球の貴重な経験を生かし、彼ら3人が大学ラストシーズンにどんな活躍を見せるのか。秋季リーグの開幕が待ち遠しい。