横浜高校の強さの理由は「素の自分を出せる環境」。関東大会優勝&秋日本一でセンバツ出場「第3の場所」の存在が好循環を生む
2025/03/14 NEW
【写真:編集部】

高校野球 春の甲子園 最新情報
今春の選抜甲子園に出場する横浜高校。2020年4月から同校で指揮を執る村田浩明監督は、監督として初の選抜甲子園へと挑む。新チームは明治神宮野球大会で優勝するなど、全国屈指の戦力を誇る。編集部は村田監督にインタビューを実施し、昨秋に結果を残せた要因、選抜甲子園への意気込みなどについて話を聞いた。
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横浜高校のOBである村田浩明監督は、2020年4月に同校の監督に就任した。すると、翌2021年、2022年にはチームを夏の甲子園へ導いた。
だが、2023年、2024年と夏の神奈川県大会決勝で敗戦という現実にも直面した。2年続けてあと一歩届かず、当時の選手は無論、村田監督自身も相当な悔しさが残っただろう。
そんな中、新チームで挑んだ昨秋は神奈川県大会を制し、関東大会でも優勝した。さらに、各地方の王者が集う明治神宮野球大会でも頂点を掴み、秋の日本一に輝いた。
新チームでも強さを発揮できた要因について村田監督は「第1章から第3章までのプラン通り、選手たちが取り組んだことが大きいです」と分析した。
第1章は県大会優勝、第2章は関東大会優勝、第3章は神宮大会優勝というプランニングをした横浜高校。「例えば、風邪引いたりとかしたらプラン通りに行かないじゃないですか。でも、風邪を引くこともなかったし、怪我をしても誰かがカバーしてくれました。準備がしっかりできて、力に変わったのかなと思います」と、選手自身の体調管理も結果に繋がったことが窺えた。
さらに村田監督は、自分を律する学校生活、お互いを高め合うグラウンドに続く第3の場所を作ったことも結果に繋がったと話す。
「第3の場所というのが大事だと思っています。それが寮生活。前までは寮も厳しくしていましたが、選手たちが“自分自身でいられる場所”を作ったことで、好循環になってきたと思います」と語った。
その一環として、長浜グラウンドの施設内にも部屋を設けたと言う。この部屋は、監督と選手がざっくばらんに話し、素の自分を出せる場所となっている。本音で話す時間を作ることで、選手たちにも良い影響が生まれているのだろう。
そして、1月24日には選抜甲子園出場が正式決定した。村田監督は「夏の(神奈川県大会)決勝は2年連続で負けましたが、それぞれの代の選手がいい仕事をしたおかげで、あそこまでいけたと思います。その積み重ねで今回の選抜甲子園が決まりましたけど、過去の教え子が一生懸命やってきた成果が結果に出たと思います。教え子たちに感謝しています」と、“つながりが生んだ甲子園出場”であることを明かした。
選抜甲子園の開幕が控える中、一冬を越えた選手たちについては「やってくれると期待しています。心も身体もリセットできたし、怪我も治せたし、フレッシュな形で迎えられています。これでダメだったらしょうがないかなと思えるくらいまで、一人一人がやってくれています」と、頼もしい部員たちに大きな期待を寄せた。
村田監督自身、監督としての選抜出場は初となる。選抜甲子園への意気込みについて問うと「選抜甲子園はもちろん、すべての大会で優勝したい思いがあります。しっかりと3月18日に向けてやり切って、チームを作っていきたいと思います」と気を引き締めつつ「色んな人たちの支えがあっての選抜出場だと思います。未来の横浜高校に向かって、1年1年しっかりやっていきたいと思うので、ここから僕も凄く楽しみです」と、和やかな表情も浮かべた。
現役選手のみでなく、教え子や周囲への感謝も忘れない村田監督の人柄が窺えた。頼もしい選手らと共に、春の王者へと駆け上がれるか注目だ。
【了】