「投手のスピードに興味がない」「誰を中心にという概念はない」千葉黎明・中野大地監督が目指す”ウチらしい野球”とは。創部101年で掴んだ初の甲子園
2025/03/17
【写真:編集部】
「誰を中心に」という概念はない
「ウチの場合は野手もそうですけど、ずば抜けた選手がいない。ピッチャーに関しても5人がそろってひとつの柱になっているというか、それぞれタイプが違うし、当然ながら性格も違うので逆に起用しやすい。そもそも、誰を中心にするのか、といった概念が私にはない。完投してくれるなら完投してほしいし、最初から継投しよう、という感覚もない。そのときの調子や相手打線、ゲームの流れを見て起用していくなかで、結果として継投になっている感じです」
サイズもあって、飯高は注目を集める一人となる。中野監督も「ボールの強さも増してきたし、思い切りのよさもある」と期待しながら、球速を問う質問に対しては明言を避けた。
「私自身がスピードに興味がないので、ほとんど測らないんです。バッターに対する目的は何なのか。アウトを取るうえで、相手に速いと思わせるとか、変化球が鋭いと思わせるのが大事なので、その意味ではいくらスピードが上がったといっても、それで打ち取れるかどうかは決してイコールじゃない。そういう感覚なので、最速何キロといったものはあまり参考にしないんですよ」
中野監督の独特の指導方法は、もうひとつの武器にすえる走塁でも徹底されている。
「常に前向きな気持ちで走塁させたいので、次の塁を奪う意欲が見えていれば、判断ミスに対してはあまり咎めません。大げさな言い方かもしれないけど、走塁は恐怖と隣り合わせなんですね。そこで恐怖を植えつけてしまうと、思い切りのよさやスピード感まで落ちてしまうので」
一方で看過できないミスもある。プレーそのものの質を落としかねない、野球におけるセオリーに反するミスを厳しく咎める理由を、中野監督は「絶対に譲れないので」と説明する。