MLBで活躍する田中・前田、NPBでもがく斎藤佑――2006年甲子園を沸かせた『ハンカチ世代』
いよいよ8月7日(日)から第98回全国高等学校野球選手権大会が始まる。これまでに数々の選手が、スカウトの目にとまる活躍を見せ、プロ入りしている。なかでも10年前の2006年は、大会史上2度目の「決勝引き分け再試合」が行われ、世間を熱狂の渦に巻き込んだ。
2016/07/29
2006年夏、一人で投げ切った齋藤
今年も第98回全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)の代表校が決まりつつある。全国から有望な選手たちが甲子園に集う日が近づいている。
今からちょうど10年前、同じように甲子園を沸かしたのが1988年生まれ、いわゆる「ハンカチ世代」だ。今では世代を代表するのは、田中将大(ヤンキース)、前田健太(ドジャース)、柳田悠岐(ソフトバンク)、坂本勇人(巨人)らになっているが、10年前の夏、最も輝いていたのは決勝引き分け再試合の末に制した早稲田実業の「ハンカチ王子」こと斎藤佑樹(日本ハム)だった。
・斎藤佑樹 甲子園通算成績 2006年選抜(春)、選手権(夏)
11試合8勝1敗 106回 71被安打 35四死球 104奪三振 自責点20 防御率1.86
2006年夏、投球回数69イニングで948球は史上1位。78奪三振は1958年、板東英二(徳島商)の83奪三振に次ぐ史上2位。決勝戦の引き分け再試合を含む24回を一人で投げぬいた。
この夏、斎藤佑樹と決勝戦で死闘を演じたのが駒大苫小牧の田中将大だ。
・田中将大 甲子園通算成績 2005年選抜(春)、2005年選手権(夏)、2006年選手権(夏)
13試合8勝0敗 91.1回 66被安打 31四死球 102奪三振 自責点21 防御率2.07
2006年夏の投球回数は52.2回。斎藤が一人で投げ切ったのに対し、田中は控え投手がいたために投球回数は少なかった。チームは敗退しているが、田中は甲子園では無敗。
田中将大と小学生時代、バッテリーを組んでいた坂本勇人(坂本が投手、田中が捕手)は、青森県の光星学院に進んだが、甲子園での実績には恵まれなかった。
・坂本勇人 甲子園通算成績 2006年選抜(春)
1試合 5打数3安打1打点2盗塁 打率.600
1回戦の関西(岡山)戦、4番遊撃手として1回にタイムリーを打ったが、チームは敗退。田中のような印象に残る活躍はできなかった。