高校生ドラフト候補を独自ランキング化。履正社・寺島、横浜・藤平はどんなタイプ?
高校生の最後の夏も甲子園を残すだけとなり、今年も数々のドラフト候補たちが最後の夏を戦った。しかし、実際、彼らの評価はどのくらいなのかは計りかねるところだ。全国のドラフト候補と言われる逸材たちを見て回ってきたライターの西尾典文氏に独自採点基準にてランキング化し、それぞれの選手をプロのタイプに振り分けた。
2016/08/05
昨春選抜覇者のメンバー、敦賀気比の遊撃手・林中は安達了一タイプ?
ランキングをつけるにあたり採点する項目は投手、野手とも5項目設け、それぞれ10点満点で最高点は50点とした(別表参照)。本文では上位20選手について下位から順に紹介する。
■将来性
10:MLBを代表する選手(タイトル複数回獲得)
9:MLBでタイトルを争う選手
8:MLBでオールスター出場
7:MLBでレギュラークラス
6:NPBを代表する選手(タイトル複数回獲得)
5:NPBでタイトルを争う選手
4:NPBでオールスター出場
3:NPBでレギュラークラス
2:NPBで一軍クラス
1:NPBからドラフト指名
■完成度
10:NPBで1年目からタイトルを総ナメ
9:NPBで1年目からタイトル獲得
8:NPBで1年目からオールスター出場
7:NPBで1年目からレギュラークラス
6:NPBで1年目から一軍クラス
5:NPBで1年目から一軍の試合に出場
4:NPBで1年目から二軍のレギュラー
3:強豪社会人・強豪大学で1年目からレギュラー
2:中堅大学で1年目からレギュラー
1:大学1年目はレギュラー獲得に至らない
■ストレート・変化球・コントロール・打力・守備力・走力
10:MLBレベル
9:NPBの一軍主力レベル
8:NPBの一軍レベル
7:NPBの二軍主力レベル
6:NPBの二軍レベル
5:強豪社会人の主力レベル
4:NPBの育成選手レベル
3:強豪大学レベル
2:高校生の上位レベル
1:高校生レベル
寸評を読んでもらえればお分かりの通り、その選手の良さや特長を知ってもらうことを目的としている。
20位 石垣雅海(酒田南・遊撃手・180cm・84kg・右投右打・長野久義タイプ)18点
評 東北ナンバーワンの右の強打者。ぶれの少ないスイングでなおかつ力強さがあり、高い軌道で飛ばせるのは魅力。運動能力が高く鍛えがいのある素材だ。
16位 早川隆久(木更津総合・投手・左投左打・180cm・74kg・左投左打・杉内俊哉タイプ)19点
評 細身だがボールの出所の見づらいフォームで、低めに伸びる球筋は出色。緩急の使い方がうまく、変化球もよく制球されている。柔らかさを残したまま体を大きくしたい。
16位 鈴木昭汰(常総学院・投手・176cm・77kg・左投左打・辛島航タイプ)19点
評 実績十分のサウスポー。春は故障で不調だったが夏にしっかり合わせる調整力はさすが。制球力と多彩な変化球は高レベルで、プロでも需要の多い安定感のある左腕だ。
16位 梅野雄吾(九産大九産・投手・175cm・80kg・右投右打・中田賢一タイプ)19点
評 たくましい体つきで最速154kmのスピードを誇る九州最速右腕。フォームの振幅は大きいため、制球が今後の課題。ストレート以外をどう伸ばせるかがカギとなる。
16位 才木浩人(須磨翔風・投手・187cm・79kg・右投右打・白村明弘タイプ)19点
評 好投手揃いの兵庫でも素材の良さはピカイチ。下半身の強さや変化球に課題はあるが、じっくり二軍で鍛えれば、将来チームを支える存在になれる器だ。
13位 細川成也(明秀日立・外野手・181cm・85kg・右投右打・中田翔タイプ)20点
評 長打力が魅力の右の強打者。緩急を使った攻めには課題が残るが、全身使ったフルスイングで右にも左にも飛距離が出る。持ち前の強肩はプロでも上位クラスに入るだろう。
13位 林中勇輝(敦賀気比・遊撃手・180cm・70kg・右投右打・安達了一タイプ)20点
評 攻守に安定感と確実性が光るショート。プレーの形が良いだけでなく、ポジティブな意味で適当なプレーもできる。今後は体をいかに大きくしていけるか。パワーとスピード感をつけていきたい。
13位 山崎颯一郎(敦賀気比・投手・188cm・84kg・右投右打・石川歩タイプ)20点
評 手足が長く、体の使い方はうまい。大型投手らしからぬセンスを感じる。球威に物足りなさがあり、ストレートに課題。うまく馬力がついてくればエース格になれる素材だ。
11位 今井達也(作新学院・投手・180cm・72kg・右投右打・原樹理タイプ)21点
評 実績は乏しいが、将来性が魅力の右腕。長いリーチを柔らかく使い、手元で伸びるストレートは出色。変化球と制球力が改善されて、モノになった時の見返りは大きいだろう。
11位 藤嶋健人(東邦・投手・175cm・78kg・右投右打・大谷智久タイプ)21点
1年夏から甲子園で活躍し、落ち着いた投球で安定感は出色。しっかり試合を作れる投手は貴重だ。スケールよりも実戦タイプを求める球団からは高い評価を得るだろう。