高校生ドラフト候補を独自ランキング化。履正社・寺島、横浜・藤平はどんなタイプ?
高校生の最後の夏も甲子園を残すだけとなり、今年も数々のドラフト候補たちが最後の夏を戦った。しかし、実際、彼らの評価はどのくらいなのかは計りかねるところだ。全国のドラフト候補と言われる逸材たちを見て回ってきたライターの西尾典文氏に独自採点基準にてランキング化し、それぞれの選手をプロのタイプに振り分けた。
2016/08/05
則本昂大タイプと称された千葉県の逸材、寺島、藤平のタイプは?
10位 吉高壮(明石商・投手・170cm・70kg・右投左打・森唯斗タイプ)22点
評 完成度の高さは高校球界でも屈指。どの球種もしっかり低めに集め、ストレートは常時145km前後。大学か社会人で実績を残せば、即戦力として評価される可能性が高い。
9位 古谷優人(江陵・投手・176cm・76kg・左投左打・石井弘寿タイプ)23点
評 北海道の話題を独占した154kmサウスポー。数字に見合う威力があり、ストレートだけなら高校生ナンバーワン。三振をとれる左投手はやはり魅力だ。
8位 鈴木将平(静岡・外野手・174cm・75kg・左投左打・大島洋平タイプ)24点
評 高校生ナンバーワンのヒットメーカー。左右に打ち分ける技術と走力は、現時点でプロの二軍レベル。失敗する可能性は極めて低いだろう。
6位 島孝明(東海大市原望洋・投手・180cm・82kg・右投右打・則本昂大タイプ)26点
評 春に150kmを越えるスピードを連発し注目を集めたパワーピッチャー。緻密さには欠けるものの、制球力と変化球も着実に向上している。リリーフとしても面白い存在だ。
6位 浜地真澄(福岡大大濠・投手・183cm・87kg・右投右打・今村猛タイプ)26点
評 春の九州大会を制した大型右腕。リリースに力が集中しており、両サイドを投げ分ける制球力は出色。大きな欠点は見当たらず、早くからプロで鍛えてもらいたい素材だ。
5位 高田萌生(創志学園・投手・178cm・75kg・右投右打・松坂大輔タイプ)27点
評 松坂大輔二世の呼び声高い右腕。夏は最速154kmをマークし、鋭く変化するスライダーも一級品。逆球の原因となる左右に肩が振れる悪癖を解消すれば、大化けも。
3位 高橋昂也(花咲徳栄・投手・181cm・83kg・左投左打・山口鉄也タイプ)31点
評 センバツ後に大きく成長。夏の県大会では37回を投げて52奪三振、無失点と圧巻の投球を見せた。力強さは申し分ないだけに柔らかさが加わればさらに安定感が増すだろう。
3位 山本由伸(都城・投手・177cm・75kg・右投右打・金子千尋タイプ)31点
評 甲子園とは無縁だが、完成度の高さは高校球界屈指の本格派右腕。動きにメリハリがありどのボールも質が高く、体力がつけば一気にプロでの活躍も期待できるだろう。
2位 藤平尚真(横浜・投手・185cm・83kg・右投右打・涌井秀章タイプ)32点
評 春以降一気に成長を見せた高校生ナンバーワン右腕。勝負球のバリエーションは寺島を凌ぐものがある。突如崩れる不安定さはあるが、大きな課題は見当たらない。
1位 寺島成輝(履正社・投手・183cm・85kg・左投左打・野口茂樹タイプ)33点
評 早くから世代ナンバーワンの呼び声高い本格派サウスポー。今年の公式戦は全て1失点以内と完成度の高さは抜群。変化球に凄みが出れば早くから一軍の戦力となるだろう。
上位20人のうち投手が16人となった。中でもランク1位の寺島、2位の藤平はよほどのことがない限り1位指名の可能性が高い。一方の野手は目玉不在の印象。しかし昨年1位指名を受けた平沢大河(ロッテ)、オコエ瑠偉(楽天)の二人も夏の甲子園で評価を一気に上げた選手であり、短期間での急成長というのは高校生の魅力である。
今年もここから急浮上する選手が出てくることも十分に考えられる。“ドラフト的視点”でも夏の甲子園に注目してもらいたい。