目標は阪神・能見 2015年ドラフト候補、福井工業大・井上和紀が目指す「下克上」
侍ジャパンでも大活躍している則本昂大や菊池涼介ら、近年、地方大学出身者の活躍に注目が集まるプロ野球界。2015年のドラフト候補にも「地方大学の逸材」たちが多く存在する。今回は、すでに複数のプロ球団そして社会人チームがリストアップしている好左腕・井上和紀(福井工業大)の現在と未来を探る。
2014/12/15
Yu Takagi
目指すは下克上
入学当初こそ、高校時代とは違う練習の質に戸惑ったというが、下野監督の掲げる「練習は〝こなす〟ものではなく、〝積み重ねる〟もの。できないことをできるようにする、できることの確率をより高めるのが練習」という指導方針のもと、「どうやったら、より上達するか」という主体性を常に井上自身が持ち、着実に力を積み上げてきた。
「福井から頂点へ」
福井市中心街から車で約20分、永平寺町にある福井工業大のグラウンドでは、このチームスローガンが常に左中間フェンスに掲げられている。
高校時代は無名であった選手がほとんどの同大だが、厳しい練習を主体的に、チーム一体として楽しむかのような姿勢を見ていると、それはもはや夢物語ではなく、はっきりとした目標と言える。
そしてその念願成就には、井上の活躍は欠かせないだろう。
そんな井上の理想の投手像は「手元で伸びるストレートや投げっぷりが好き」と語る阪神の能見篤史。
今冬は最終学年でのさらなる飛躍に向け、「ウェイトアップしてから、きっちりと常時140km台を出すこと。また、連投がきく投手になりたい」と目標を置く。
普段はヤンチャさと人懐っこさが同居するような笑顔が印象的だが、その奥には、屈強な雑草魂に加え、「日本一」という大きな野望を抱いている。