【夏の甲子園】「寺島vs藤平」ドラ1候補が激突。「松坂vs杉内」「斎藤vs田中」ら過去にも好投手の投げ合い
今年も夏の甲子園が開幕した。毎年、様々なドラマが生まれるが、今年は第2回戦から、ドラフト候補同士が投げ合う。
2016/08/14
現役プロ野球選手が甲子園で見せた投げ合い
現在プロで活躍している選手同士が投げ合った、熱戦をいくつか紹介したい。
1998年(第80回)第2回戦 横浜高校 対 鹿児島実業
横浜(神奈川)の松坂大輔(現ソフトバンク)と、鹿児島実業(鹿児島)の杉内俊哉(現巨人)の投げ合いだ。松坂は同年のセンバツ大会を制覇。春夏連覇を目指して甲子園に出場した。1回戦の柳ヶ浦戦は四死球6つを与えながらも、9回を投げて3安打9奪三振で完投勝利(6-1)をあげた。一方の杉内も注目の左腕として甲子園に出場、1回戦の八戸工大一戦では16三振を奪い、ノーヒットノーランを達成した。
注目を浴びた二人の対決は、5回に横浜の後藤が杉内からセンターに犠牲フライを放ち先制すると、8回には松坂が杉内からレフトへ2点本塁打。この回一挙5安打5得点の猛攻で、横浜が6-0で勝利した。同校はそのまま大会を制した。
・杉内俊哉 9回 被安打9 5奪三振 2与四死球6失点
・松坂大輔 9回 被安打5 9奪三振 0与四死球0失点
2006年(第88回)夏の甲子園決勝 早実 対 駒大苫小牧
早稲田実業(西東京)の斎藤佑樹(現日本ハム)と、駒大苫小牧(南北海道)の田中将大(現ヤンキース)の投げ合い。3連覇を狙った駒大苫小牧のエース田中は、3回二死の場面でマウンドに上がり二者連続三振で抑えた。その後、両者一歩も譲らない展開が続く。ところが、8回表斎藤は駒大苫小牧の三木悠也にソロホームランを浴び、先制を許す。しかしその裏に、早実も後藤貴司の犠牲フライで同点に追いつく。その後はスコアボードに0を並べ、延長15回終了時点で1-1と決着がつかず、51回大会以来史上2度目の決勝引き分け再試合となった。田中は12.2回、斎藤は一人で15回を投げ切った。
翌日の再試合では、早実が初回から田中を攻める。先頭打者・川西啓介の四球を皮切りに3者連続出塁で1死1、2塁にすると船橋悠のヒットで1点を先制。続く2回も田中は先頭打者の内藤浩嵩を四球で出すと、その後川西のヒットで2-0とリードされる。駒大苫小牧は斎藤から6回に三谷忠央の本塁打で1点を返すが、田中がその直後に追加点を許し突き放される。結局田中は8回途中で交代となった。斎藤は9回に中沢竜也の2点本塁打を浴びるが、後続が続かず4-3で早実が悲願の初優勝。2日間24回を一人で投げ切った。
(決勝)
・田中将大 12.2回 被安打7 10奪三振 3与四死球 1失点
・斎藤佑樹 15回 被安打7 16奪三振 6与四死球 1失点
(決勝再試合)
・田中将大 7.1回 被安打4 4奪三振 3与四死球 3失点
・斎藤佑樹 9回 被安打6 13奪三振 0与四死球 3失点
2009年(第91回)夏の甲子園1回戦 花巻東 対 長崎日大
花巻東(岩手)の菊池雄星(現埼玉西武)と、長崎日大(長崎)の大瀬良大地(現広島)の投げ合い。同年の春の決勝戦で花巻東・菊池は、今村猛(広島)のいた清峰に0対1で敗退。その今村を県大会で破って甲子園に出場してきたのが、長崎日大のエース・大瀬良だった。
菊池は長崎日大に8回までに本塁打を3本打たれるなど、本調子に程遠く、味方の打線の援護に恵まれて完投した。大瀬良は7回途中まで投げ被安打7、3奪三振、1与四死球、自責点4で寺尾智貴と交代。その後、8回に再びマウンドに上がるも、追加点を許さなかった。9回に松尾晋也が四球で出塁するも、得点を奪えず花巻東が8-5で勝利を収めた。
・大瀬良大地 7.1回 被安打8 3奪三振 1与四死球4失点
・菊池雄星 9回 被安打9 5奪三振 2与四死球5失点