2016年夏の甲子園、本命不在。「神宮大会」「監督」「左腕」の3視点で占う優勝争い
いよいよ7日第98回全国高等学校野球選手権大会が甲子園球場にて開幕する。果たして頂点に立つ高校はどこか?
2016/08/07
センバツベスト4の秀岳館の躍進は?
最後に1、2回戦の注目カードを挙げておきたい。
開幕戦に登場する佐久長聖―鳴門は非常に興味深い。
この夏、PL学園の休部のニュースが騒がれたが、佐久長聖の藤原弘介監督は元PL学園の監督だ。小窪哲也(広島)、前田健太(ドジャース)らを育てた後、2012年に長野に移っている。PL魂が開幕戦で微かな光となるのか。その相手が、近年の徳島県の野球をリードしている鳴門というのは相手に不足はない。非常に楽しみなオープニングゲームといえるだろう。
次に挙げたい好カードは大会3日の第4試合にぶつかる近江VS常総学院だ。
近江の京山将弥、常総学院の鈴木ともプロが注目する投手で、その投げ合いが注目される。京山は早くからドラフト候補として注目されてはいたが、現在のところ高い評価を得ているわけではない。同じくドラフト候補の鈴木との投げ合いで、評価を覆したいところ。右腕VS左腕の対決。非常に楽しみである。
大会6日の第4試合、2回戦になる秀岳館―常葉学園菊川の対戦も興味深い。
センバツベスト4の秀岳館は今大会も上位進出が期待されるチームだ。中学のボーイズリーグを幾度も優勝に導いた鍛治舎巧監督が率いる。このセンバツでは、追い込まれてからノーステップ打法を取り入れるなど、「勝つための野球」に徹する姿勢は多くの指導者が模倣したほどだ。
一方の常葉菊川はマン振りが持ち味のスタイルだ。
07年に春のセンバツを制するなど、超攻撃的な野球は甲子園に出てくるたびに、ワクワクとさせてくれる。どんどん相手投手に向かって行く姿勢で優勝候補を打ち破ることができるか。
ノーステップ対マン振りの対決、どちらが制するのかは注目だ。
決勝戦は8月21日。果たして、どこが優勝旗をつかむのだろうか。