「侍ジャパン」の一つの形――代表の誇りを経験し甲子園で躍動した、U15日本代表選手たち
今年の夏の甲子園に出場した各校の選手を改めて確認すると、2013年侍ジャパン結成時のU15日本代表メンバーが名を連ねた。
2016/08/25
世界大会の経験はプラスに
このほかは、記者会見に参加した藤平。右腕として大会注目度NO1だったのは言うまでもなく、横浜のチームメイト浜野大空もメンバーだった。1回戦で敗退した関東一の本橋慶人、京都翔英の強肩強打の捕手・石原彪も下級生時から注目されたU15代表選手たちだ。2013年の15Uアジアチャレンジマッチの戦いの中では、第3戦のチャイニーズタイペイ戦で、鈴木が先発して6回を投げ、堀江―藤平という継投も見せている。
15歳という年齢で貴重な経験を経た選手たちが、3年の歳月を経て甲子園という場で再集結したことは、「侍ジャパン」としても非常に意義のあることだろう。
彼らの中でU18日本代表に入って再び日の丸のユニフォームに袖を通したのは藤平だけだが、この侍ジャパン事業が定着していくことで、将来的には、全世代で代表入りという選手が生まれることもあるはずだ。また、「侍ジャパン」を目指す選手たちが増えて切磋琢磨していく環境ができることも、野球界にとって大きな財産になる。
二度のU18日本代表監督をつとめた西谷浩一監督(大阪桐蔭)が、かつて語っていたことがあった。
「最近は中学生でも世界大会を経験している。若い世代の子どもたちが世界に目を向けるのはいいことだと思う」
今後も各世代の代表の活躍とその後を追いかけていくのは、楽しみの一つにもなるだろう。2013年に「侍ジャパン」が撒いた種は少しずつ花を開こうとしている。