韓国WBC代表監督、金寅植が3度目の就任の背景。日本に通算成績で勝ち越すも「大谷に手も足も出ず、日本より力は落ちる」
来年3月に開催される第4回WBC。日本は09年以来となる世界一を目指して動き出す。その一方でライバル・韓国も前回大会のリベンジに燃えている。
2016/09/10
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要望に応えての再登板
この人しかいない――昨年のプレミア12で初代王者に輝いた韓国。準決勝の日本戦では最終回に驚異の粘りを見せて4対3と逆転勝ちを収めたのは記憶に新しい。
去る9月5日、2017年3月に開催される第4回WBC韓国代表監督に金寅植(キム・インシク)氏が就任すると発表された。
金監督は現在69歳。韓国野球委員会(KBO)の技術委員長を務めており、球界全体を支えている。直近のプレミア12で優勝監督となり、WBCでは06年・09年に続いて3度目の登板となる。結果を出し続ける勝負師としてだけではなく、温厚な性格から国民監督と呼ばれている。
韓国メディアは実績ある監督の就任に沸いていると思いきや、それがすべてではない。『dongA.com』では本人の体調を心配しながらも監督人選の問題点について次のように挙げている。
「金監督はもうすぐ70歳になる。プロ野球の現場は既に09年のハンファイーグルス監督を最後に退いているがなぜ、韓国球界は今となっても彼に激務をさせようとするのか。それはもう依頼できる人物が彼しかいないからだ」
これまで代表の指揮官は韓国シリーズ優勝監督が務めると決められていたものの、今回のWBCではこの条件は撤廃された。これを受けて金監督自ら現場の監督達に就任を打診したが、残念なことにすべて断られたという。その主な理由として「他球団の選手達に気を使うことはとても難しい」などが挙げられている。