「スーパー1年生」と騒がれて6年。愚直な田村伊知郎(立教大)が気づいた”適当”の大切さ
報徳学園1年時の夏の甲子園でベスト4入りを果たし、当時スーパー1年生と騒がれた田村伊知郎(立教大)。大学に入学しても苦しい日々が続いた。
2016/09/17
高木遊
田村伊知郎(たむら・いちろう)1994年9月19日生まれ。兵庫県出身。報徳学園高→立教大4年。173cm・80kg。右投左打。
高校時代の苦悩
高校1年の夏に、報徳学園の甲子園4強入りに貢献し「スーパー1年生」と騒がれた田村伊知郎(立教大4年)だったが、その後は2年春のセンバツに出場したものの初戦敗退し、以降甲子園の土を踏むことはなかった。
「1年生の時は、とにかくガムシャラで、“なぜ、あそこ(甲子園4強)まで行けたのか”を説明することはできません。それに、自分自身としては変わったつもりはなくても、周りの求めるものとのギャップも感じ、そこに追いつかなきゃいけない感覚もありました」
そう話すように、周囲の高い期待に応えようとするあまり、焦りが先走ってしまった。
立教大に入学してからも、1年春から登板したが首脳陣の信頼を得る投球ができず、登板機会は少なく昨年までの3年間で通算2勝と低空飛行が続いた。
「実力不足なのですが、ずっともどかしかったですね……。(ベンチに入りしながら)同級生が目の前で活躍しているのを見ることも初めてでした。そういう現実が自分の中で消化しきれないというか、悔しい思いがずっとありました」
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