「乃木坂46に覚えてもらえる選手に」――ロッテ育成指名の隠し玉・菅原祥太の武器は、柳田悠岐ばりの豪快スイング
ロッテの育成ドラフト2位指名を受けた菅原祥太外野手(日本ウェルネススポーツ大)。育成選手からのスタートながら、担当スカウトが素質を高く評価する隠し玉の実力と素顔に迫った。
2016/11/27
高木遊
人生を変えた一発
「ウチの隠し玉です。長打力があって、肩が強く、足も速い。トリプルスリー(3割、30本塁打、30盗塁)を狙える選手です」
千葉ロッテマリーンズ・諸積兼司スカウトがその潜在能力を高く評価するのが、ロッテの育成ドラフトで2位指名された無名の外野手・菅原祥太だ。183cm95kgのがっしりとした体格ながら、50mを5秒82で走る俊足や強肩強打など高い身体能力で走攻守三拍子が揃う。
現在は日本ウェルネススポーツ大学の4年生。同大は通信制の大学で、全日制の大学が加盟する全日本大学野球連盟ではなく、社会人野球を統括する日本野球連盟傘下の茨城県社会人野球連盟に加盟して4年目となる歴史の浅いチームだ。
大学2年時までは左腕から140km/hを超える速球を投じていたが、フォームを崩したこともあり、「投手では上に行けない」と打者転向を決意。入部時から指導に当たっている工藤洋一監督も「投手だと力を持て余していたところがあったので、ちょうど僕も“野手に転向しないかな”と思っていました。こちらからは言いづらかったのですが、本人から申し出てくれて助かりました」と歓迎した。
転向当初は苦戦することもあったが、「打者転向したのが遅かった分、死ぬ気でやりました」と本人が振り返るように、徐々に力をつけ、今夏の都市対抗予選後から打球の飛距離が飛躍的に伸びた。そこで諸積スカウトが視察に訪れるまでになった。
「監督からスカウトの方が来ると聞いて、前の日の夜はバットを抱いて寝ました(笑)。“後は打てなくてもいいから、明日だけは頼むぞ”って」
そんな思いが通じたのか、諸積スカウトの眼前で第1打席に特大の本塁打を放った。守備でも、シートノックで強肩を生かしたスローイングを披露し、諸積スカウトを唸らせた。