山岡の一本釣りに成功したオリ、楽天はユニークな補強。下位指名にも逸材揃い、将来性重視の傾向【2016年ドラフト総括・社会人編】
2016年度ドラフト会議も終了。高校生・大学生・社会人の3カテゴリー別に指名された選手を振り返りながら、総括をしたい。社会人編だ。
2016/10/24
グランドスラム
糸原は阪神の内野陣のカンフル剤に
その他の球団が社会人の指名を少数に抑えたり、見送ったのは、目当ての選手がさらなる成長を望んで残留を打ち出したか、来年に解禁となる選手との比較によるものだろう。
また、高校出の丸 佳浩、大学出の菊池涼介、そして社会人出の田中広輔と、異なるルートでプロ入りした27歳が主力を固め、優勝という成果も上げた広島に代表されるように、数年来の育成に成功している、あるいはその途上にあるチームは、次世代の戦力整備を睨んで高校・大学生を中心に指名するケースが多かった。
【写真】進藤拓也(JR東日本)は、DeNAでリリーフとしての活躍が期待される。
そうした理由で社会人は17名に留まったが、北海道日本ハムが地元出身の本格派右腕・玉井大翔(新日鐵住金かずさマジック)、横浜DeNAがリリーバーで適性を示している大型右腕の進藤拓也(JR東日本)、阪神が無限の将来性に着目して藤谷洸介(パナソニック)をいずれも8位で指名したのは興味深い。そして、阪神が5位指名した糸原健斗(JX-ENEOS)は、世代交代期にある内野陣に大いに刺激を与えてくれるはずだ。
【写真】糸原健斗(JX-ENEOS)が、阪神の内野争いにどう絡むか注目だ。
10月29日から京セラドーム大阪で開催される第42回社会人野球日本選手権大会では、指名選手がアマチュアでの歩みを締めくくるプレーを披露するのと同時に、来季に向けたスカウティングがスタートする。各球団が、どんなビジョンに基づき、どういう選手にフォーカスしていくのか追いかけたい。