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山岡KOで勢いに――“伝統”の野球を実践、古豪・ヤマハが日本選手権V

第42回社会人野球日本選手権大会は、ヤマハの優勝で幕を閉じた。

2016/11/15

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グランドスラム



優勝候補を倒して決勝進出を果たした両チーム

 第42回社会人野球日本選手権大会は、11月8日に決勝が行われた。栄えある舞台に勝ち進んだヤマハは都市対抗で3回優勝、対する日本通運は都市対抗と日本選手権を1回ずつ制しているが、ヤマハは1990年、日本通運は1994年と、長く日本一から遠ざかっている。そんな古豪同士が久しぶりの王座をかけて激突した。

 日本通運は、今季のエース格だった渡辺 圭が大会前に腰を痛め、頼れる先発投手は髙山亮太だけという状態。ヤマハも同じように、左腕エースの池田 駿しか計算できる先発はいなかった。

 そうした中で、日本通運は二回戦で前年王者の日本生命を倒すと、準々決勝では都市対抗を制したトヨタ自動車に競り勝ち、試合を重ねるごとに投打の歯車が噛み合っていった。一方のヤマハは、オリックスからドラフト1位で指名された山岡泰輔を擁する東京ガスが一回戦の相手だ。本音を言えば、意地だけは見せたいと臨んだ試合だった。

 ところが、2回裏に河野拓郎が二塁打を放つと、続く前野幹博が甘く入ったスライダーをライトスタンドに叩き込む。前野はPL学園高から入社して3年目、ドラフト解禁でプロ球団から調査書も届いたが、「もっと力をつけてから」と残留を決意した。来季に堂々ドラフト指名を受けようと、足がかりを作りたい大会で放った一発が打線に火を点け、この回6安打6点で山岡をKO。後半にも加点して11-3で大勝すると、二回戦では19歳の剛球右腕・鈴木博志が、3回まで7四球と乱れながらも失点しないという不思議な投球でNTT西日本に立ち向かい、3-1の快勝でベスト8に進出する。

 すると、JR西日本との準々決勝は1回裏に4本の長短打で5点、大阪ガスとの準決勝も1回表に5安打で4点と、初回にビッグイニングを作って不安のあった投手陣を援護し、僅差を際どく勝ち抜いてきた日本通運との決勝を迎える。

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