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山岡KOで勢いに――“伝統”の野球を実践、古豪・ヤマハが日本選手権V

第42回社会人野球日本選手権大会は、ヤマハの優勝で幕を閉じた。

2016/11/15

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グランドスラム



どんな展開でも攻める

 そして、決勝はヤマハの池田駿、日本通運の髙山が好投して5回までをスコアレスで終えるが、6回裏一死二塁から敵失で先制したヤマハは、なお二死一、二塁とし、河野がレフトオーバーの二塁打で計3点。悲願の初優勝へ一歩前に出ると、日本通運も猛反撃に転じる。7回表二死満塁から大谷昇吾の内野安打で1点を返すと、続く8回表も二死一、二塁とし、ヤマハは134球の力投を見せた池田駿から九谷青孝に投手を交代。九谷が何とか後続を抑えたものの、土壇場の9回表も先頭の木南 了が敵失で出ると、大谷が右中間を破る三塁打で1点差に迫り、なお無死三塁と攻め立てる。

 同点は覚悟しなければならないピンチだが、九谷は攻めの投球で後続を断ち、3-2で日本一のダイヤモンド旗を手中に収めた。

 都市対抗で3回の優勝を誇るが、日本選手権は1980年と1985年の準優勝が最高。名門復活を、と期待されて1997年に入社したヤマハの美甘将弘監督は、強打の内野手として幾度も勝利に貢献したが、自身も1999年の都市対抗ベスト4が最高と、現役時代は日本一に届かなかった。それでも、コーチを経て昨年から監督を務め、強力打線が若い投手を盛り立てて勝つという“伝統”を見事に実践した。

「どんな展開になっても攻めていこうと選手たちには話しましたが、最後まで気持ちを切らさずにプレーしてくれた。偉大なる先輩方に追いつけ、追い越せと取り組んできましたが、これからは新たな伝統を我々で作っていきたい」

 力強くそう語った美甘監督のチーム作りには、今後とも注目していきたい。また、今大会ではJR西日本の加賀美希昇、大阪ガスの猿渡眞之と二人の投手がノーヒットノーランを達成した。過去41回でたった一度の快記録が、2日続けて達成されたことは驚きであり、来季も好投手が次々と頭角を現すだろうと期待も持てる。その一方では、ロースコアの試合が多く、打撃陣には大いなる奮起を求めたい。

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