WBCへ難題山積の侍ジャパン。気がかりな山田・中田の不振、手腕問われる小久保監督
侍ジャパンの強化試合4連戦は11月10日から東京ドームでメキシコ、オランダを相手に行われ、3勝1敗で勝ち越したが、WBCに向けて大きな課題を残した。
2016/11/21
投手陣は27失点
厳しい現実を突きつけられた。プロ野球日本代表・侍ジャパンの強化試合4連戦は11月10日から東京ドームでメキシコ、オランダを相手に行われ、3勝1敗で勝ち越し。しかし結果はともかく内容的には来年3月の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向け、強化どころか不安ばかりが残る形で終わってしまった。
特に投手陣は4試合で27失点(延長タイブレークの2失点を除く)。この4試合では本大会を見越してWBC公式試合球と事実上同じ規格のローリングス社製・MLB使用球が使われ、マウンドも硬い土に変えられたが、大半の投手が対応に苦慮した。
打線は4試合で30得点(延長タイブレークの5得点を除く)を挙げて爆発したとはいえ、よくよく紐解いて見ると未対戦でデータが不足している外国人投手たちに悪戦苦闘を強いられた主力打者もいた。
山田哲人(ヤクルト)が4試合中3試合にフル出場しながら13打数1安打2打点、全4試合に4番として先発出場した主砲・中田翔(日本ハム)は13打数2安打3打点。両者ともに放った安打がすべて適時打だったところは体裁を保ったと言えるが、それにしても数字的には明らかに物足りない。打球にも本来の力強さがほとんど感じられなかった。
中田についてはちょうど初戦から慢性的な左手首痛が再発してしまっていた背景があったことから、それほど憂慮しなくてもいいと信じたい。だが、いずれにしても侍打線の軸となる中田、山田の2人が強化試合でいまひとつ真価を発揮できなかった点は気がかりだ。