社会人野球も始動! 2015年ドラフト候補をはじめ注目のプレーヤーたち(打者編)【横尾弘一「プロにつながる社会人野球」】
社会人野球も、2015年シーズンに向けて始動となる。今秋のドラフト候補になっている選手をはじめ、今年も活躍を期待したい選手が多数いる。ぜひ皆さんに注目していただきたい選手を紹介したい。今月は野手編だ。
2015/01/14
小峰、伊藤……スピードとパンチ力を兼ね備えた好打者たち
年明け早々から入社内定者も合流し、2015年シーズンに向けて新たなスタートを切る。日本のアマチュア最高峰レベルを誇る社会人野球は、三冠王3度の落合博満をはじめ、通算本塁打歴代3位の567本を放った門田博光、同じく486本塁打で歴代9位の大杉勝男、現役でも松中信彦や小笠原道大といった球史に残るスラッガーを輩出している。
最近は、どちらかと言えば投高打低と評されるが、長野久義を筆頭にスピードとパンチ力を備えた好打者も社会人をステップにプロで活躍している。
そうした流れに乗る可能性を秘めた選手をピックアップしてみよう。
最も注目したいのが小峰弘樹(JFE東日本)だ。拓大から入社した昨春の東京スポニチ大会では、2試合に3安打を放って新人賞と大会優秀選手に選出された。183cm・90kgの恵まれた体格を生かしたパワーは特筆もので、右方向にもアーチを描ける技術を備える。右打者であることも大きな魅力で、全国の舞台でどんな結果を残してくれるか楽しみな存在である。
小峰と同じ大卒2年目の右打ちで、すでに都市対抗で首位打者賞と若獅子賞を手にしたのが伊藤 匠(西濃運輸)。179cm・84kgのボディにはバネがあり、トップの位置から最短距離でバットのヘッドが走るスイングゆえ、やや体勢を崩されても打球がヒットゾーンに飛ぶ。都市対抗で打率.550をマークして自信も深めており、勝負強い打撃に注目が集まる。
この二人に実績では及ばないものの、上西主起(日本生命)も185cm・85kgの体格と、打球を遠くへ飛ばすという能力では引けを取らない。ルーキーながら名門の四番も任された昨年は、故障もあって本領を発揮できなかったが、2年目の巻き返しには大いに期待できそうだ。
また、杉本裕太郎(JR西日本)は若いチームで主軸に座り、都市対抗や日本選手権でシャープな打撃を披露した。ここ一番での集中力も高く、何より190cm・86kgから生み出される打球の速さに魅力を感じる。
そして、ポテンシャルの高さなら江塚 諭(JR東日本)もトップクラス。まだ自分のスイングが固まらず、191cm・95kgの体躯を持て余しているという印象だが、打撃練習の飛距離やスイングのスピードを見る限り、徹底した振り込みで確実性を高めれば社会人屈指の強打者に成熟するだろう。
183cm・90kgの大型捕手・木下拓哉(トヨタ自動車)も、昨年の日本選手権優勝を足がかりにして、大きな飛躍が求められる。