ベテラン佐竹(トヨタ自動車)、圧倒的な成績で2度目の投手三冠。「社会人野球選手の鑑に」【横尾弘一のプロにつながる社会人野球】
12月15日に東京都内のホテルにて、社会人野球表彰式が行われた。
2016/12/25
グランドスラム
ベストナイン二塁手は、カープ田中広輔の弟・俊太に
都市対抗はトヨタ自動車、日本選手権はヤマハと、東海勢が揃って日本一になった2016年のシーズンを締めくくる社会人野球表彰式が、12月15日に東京都内のホテルで開催された。
指名打者を含む社会人ベストナイン、日本野球連盟が指定する公式戦での成績によって選出される投打各部門でのタイトル受賞者は計12名。一般のファンも招待された会場で、記念品などが授与された。
ベストナイン投手は、都市対抗で橋戸賞に輝いたベテランの佐竹功年(トヨタ自動車)が満場一致で選出された。シーズン8勝0敗で最多勝利投手賞、防御率0.81で最優秀防御率賞も手にする“投手三冠”は、2014年に続いて2度目の快挙。最多の72奪三振もマークと、ライバルたちを圧倒する成績を残し、都市対抗初優勝に花を添えた。
捕手は、都市対抗で35年ぶりのベスト4進出に貢献した山内佑規(東京ガス)、都市対抗で優勝したトヨタ自動車の細山田武史、日本選手権を制したヤマハの川邉健司の三つ巴。都市対抗で打率.385、シーズン打率.450と、勝負強い打撃が評価された山内が選ばれた。
一塁手は、シーズン打率.457で首位打者賞を手にし、本塁打、打点ともシーズン3位に食い込んだ東向 誠(JR九州)と、ヤマハの強力打線を四番打者として牽引し、都市対抗、日本選手権とも豪快な本塁打を放ったブラジル出身の佐藤二朗(ヤマハ)の一騎打ち。二大大会で打率3割超の結果を残した佐藤に軍配が上がった。
二塁手は、打撃面で優秀な成績を残した選手が多く、選考委員会の議論は白熱した。都市対抗で若獅子賞、日立市長杯大会で首位打者賞の田中俊太(日立製作所)、四番打者として日本選手権で首位打者賞を獲得した伊礼 翼(王子)、日本選手権で打撃賞の河野拓郎(ヤマハ)の3名が高い評価を得たが、新人ながら都市対抗準優勝に貢献し、社会人日本代表でも攻守に目立つパフォーマンスを披露した田中に決まった。実兄の田中広輔(広島)も2012年に遊撃手で受賞しており、兄弟での受賞は史上初である。
三塁手の最終候補は、シーズン打率4割超を叩き出すなど打撃面での活躍が目立った。その中で、Honda鈴鹿の補強として出場した都市対抗で打率.500をマークし、大会優秀選手に選出されたのに加え、シーズン14打点の勝負強さが光った南 善規(東邦ガス)を推す声が圧倒した。
遊撃手は、シーズン最多10盗塁に打率.382と安定した活躍の野中祐也(日立製作所)と、シーズン無失策の源田壮亮(トヨタ自動車)が最後まで争った。二大大会でともに大会優秀選手となり、九番打者ながら都市対抗初優勝に貢献した点が重視されて源田となった。