「粘り強く諦めない」姿勢で甲子園常連校に。高橋新体制で早稲田の野球はどう変わるか?
今季より早稲田の監督に就任した高橋広氏。これまで鳴門工で春4回、夏7回甲子園に導いた高校野球界の名将だ。指導相手が大学生に変わる今季、高橋イズムはどう早稲田に浸透するのか?
2015/01/19
新たな正捕手固定が課題
新監督がグラウンドに入ってくると、やはり緊張感が高まる。背筋が伸び、大きく見える。高橋広新監督が就任した早大。2015年の練習が始まっている。
1977年に鳴門工業(現鳴門渦潮)高校に赴任。80年から監督になりその道一筋。春4回、夏7回、甲子園に出場した。また昨年は18U高校日本代表チームの監督として、アジア選手権で準優勝に導いた。高校球界で指導者としての実績は十分だ。
早大在学中は4年の時に新人監督だった。「ガラッと練習の雰囲気が変わりました」とある部員が言う。それはそうだろう、鬼の新人監督とも言われていたというから。高校の時、休日練習は朝から夜まで。雨の日も屋外練習が当たり前だったそうだ。泥臭く、気持ちのこもった学生らしさもさらに注入されそうだ。
捕手出身の監督だけあって、捕手を見る目は厳しい。1月6日の練習初日にストップウォッチを片手に捕手の二塁送球タイムを計っていた。「今の送球タイムでは間に合わない」と静かな指示が飛ぶ。足の運び方を自ら実践して見せた。また、捕手陣には直接、ノックバットを握ることも。去年までの正捕手が抜け、扇の要の固定は急務だ。
他の野手陣に学生コーチがゆるく転がすゴロの捕球練習を延々、続けた日も。基本重視が見て取れる。
内野、外野、ブルペンなど忙しく移動しながら、気が付いたことがあると選手を集めてすぐに指示を出す。「時間をおかず、直に言って頂けるので助かる」と部員も監督のフットワークの軽さや、ダイレクトアタックに慣れてきたようだ。