「舐められたままで終わりたくない」サボり魔が今季ドラフト候補へ 虎ファン・山足達也(立命館大)が関西復権を担う
近年、関西の名門校が集う関西学生野球連盟の低迷が続いている。全国大会での4強入りは春秋ともに2008年が最後。その復権を担う立命館大のドラフト候補2選手に今季に懸ける意気込みを聞いた。
2015/02/02
Yu Takagi
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関西学生野球復権を担う立命館大の桜井俊貴投手と山足達也遊撃手(写真右)。
※桜井投手の記事は2月上旬に掲載予定
サボり魔だった山足を救ってくれた恩師
「練習をサボったり、寮に帰らないとか……」
今年のドラフト候補にも挙がる右投右打の遊撃手、山足達也は下級生時を後悔の念とともに振り返る。
中学硬式野球界屈指の強豪であるオール枚方ボーイズでジャイアンツカップなど全国大会3冠に輝き、高校は大阪桐蔭に進学。甲子園出場は2年春のみに終わるも、河原右京(内野手、早稲田大主将)、北川利生(外野手、創価大副将)、川端晃希(捕手、同志社大主将)ら今年のドラフト候補に挙がる逸材たちとともに腕を磨いた。
関西のエリートコースとも言うべき道を歩んできた山足だったが、立命館大入学後、その道を自ら逸れてしまう。
「1年生の春から試合に出していただいたのですが、結果が出ず“野球面白くないな”という時期がありました。その時は…自分から逃げていましたね」
そう述懐する山足。そんな山足を救ってくれたのは高校時代の恩師・西谷浩一監督だった。
「1年の冬は帰省しても外で遊んでばかりだったのですが、2年の冬は家でのんびりしてようかなと思っていたんです。そうしたら地元の仲間や西谷先生から声をかけていただいて。頑張らないかんなと思ったんです」
特に響いたのが、恩師の「お前には野球しかないから、野球だけは続けとけ」という言葉。それは決して頭ごなしに怒るのではなく、諭すような口調で山足の心をほぐした。
「いつも、選手の気持ちを考えて話してくださる方」と話す恩師の言葉で目が覚めた山足は、3年春から目覚ましい活躍を遂げる。
第一志望はプロ
改心した山足は、自らが腐らせかけていた才能を呼び覚ますべく、練習からその姿勢を改めた。
「サボっていた分、人よりやらないといけないので、居残り練習もしましたし、練習中の態度も一から見直しました。自分の中では全力でやったつもりです。その結果が出たのかなと思います」
そう本人が振り返るように、2年間4季で8安打1盗塁だった成績が、3年春だけで17安打10盗塁と積極果敢な姿勢でチームを引っ張り、全国大会出場に導いた。さらに夏には、大学日本代表にも選出。50メートル5秒8の俊足に「投手のクセとかではなく、“行けるな”という直感で走っています」という勘を合わせた走塁が大きな武器だ。
幼い頃、今岡誠に憧れていたという阪神ファンの山足は、「小さい頃からの夢だったので挑戦してみたい」と、卒業後の進路にプロを第一志望として挙げている。