「この1球でいくらもらっているのか考えろ」21Uの経験が刺激に プロ注目の“鉄腕”桜井俊貴
昨春、6勝無敗の成績を残しチームを優勝に導き、個人3冠(MVP、最優秀投手賞、ベストナイン)にも輝いた立命館大のエース・桜井俊貴。同期の遊撃手・山足達也とともにプロ入り、そして関西学生野球復権の期待がかかるエースの人間性に迫った。
2015/02/12
Yu Takagi
21U侍ジャパンで受けた刺激
そんなマイペースな桜井だが、やや話のトーンが変わったのが、昨秋に選出された21U侍ジャパンでの経験について語ったときだった。
プロ・アマ混成チームで21Uワールドカップを戦い、桜井も予選リーグのオランダ戦と台湾戦に登板し好投。台湾戦では相手の熱狂的な応援に戸惑い、いきなり失点したがその後は持ち直し、見事勝利投手となった。また、マウンド以外でもプロから刺激を得ることが多かったと話す。
まずは、試合後のケアやトレーニング法。有酸素運動での疲労回復法や、体幹トレーニングのメニューなどを帯同していたトレーナーから教えてもらい、それを大学に戻ってからも行っている。
そして「最も影響を受けた人物」に名を挙げる豊田清コーチの存在も大きかった。西武や巨人で抑えの守護神として活躍した同氏の「この1球でいくらもらっているのか考えろ」という言葉が印象に残っていると言う。
「学生野球の場合は、学費などを考え、この1球にいくらかかっているのかということになるのですが、だからこそキャッチボールから1球1球大事にしようという話がとても心に残りました」と話す。その一方で、「僕の場合いくらか計算したんですが、それは忘れちゃいました」と大らかさも顔をのぞかせる。
少々の事では動じない性格で周囲に流されず、どこまでもひたむきに野球に取り組む桜井が、学生生活最後の1年でどこまで力を伸ばすのか。その伸びシロに大きな期待を抱きたい。
※前回の山足達也選手の記事はこちらから