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「すでに昨年を上回るチーム力になっている」西濃運輸 着実な進化で都市対抗連覇を狙う

プロ野球同様、2月は社会人野球もキャンプを行っている。昨年夏に都市対抗初優勝を成し遂げた西濃運輸。連覇が懸かる今年、各選手が精力的にレベルアップを目指し、野球に取り組んでいる。

2015/02/15

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結果を残したチームに共通する独特の緊張感

 野球界にとって、早春はキャンプの季節だ。
 2月1日にプロ12球団が一斉にキャンプを開始するとほどなく、全国各地で社会人や大学も来たるシーズンに向けてキャンプや強化練習をスタートさせる。プロのキャンプが沖縄と宮崎に集中しているのに比べ、社会人や大学は練習環境や球場を使用できる期間に合わせ、2~3月にかけて千葉以西で行われるため、毎年同時期は取材して移動を繰り返す体力勝負になる。
 
 そんなキャンプ取材行脚の皮切り、2月9日は和歌山県白浜の上富田スポーツセンターへ足を運んだ。昨夏に悲願の都市対抗初優勝を成し遂げた西濃運輸キャンプの初日を取材するためだ。
 
 当日は、白浜では何年ぶりかという寒さに加えて雪。明らかに野球のできるコンディションではなかったが、現場に着くと選手たちの元気な声が出迎えてくれた。午前9時前に始まった練習は、すでにシートノックが行われていた。さすがに、順番を待つ間は身を縮めている選手も、自分の番が来ればグラブを上げてノッカーを呼び、鋭い打球をしっかりさばいて送球する。これは大きな成果を残したチームの共通点だが、どんな練習に対しても能動的に動き、気づいたことがあれば練習を止めて確認する。やらされているという空気は一切なく、それがグラウンドに独特の緊張感を張り巡らせている。勝負の世界では、勝利が何よりの自信と責任感を育むのだと再確認させられる光景だ。
 
 チームを率いて通算17年目となる林 教雄監督も「今年は1月9日に全体練習を開始してから、ほとんど選手に言うことはないですね」と目を細める。
 
 ようやく雪が止み、打撃練習が始まると、鋭いスイングから放たれた打球が右へ左へ風を切り裂いて飛ぶ。右打者の伊藤 匠は、ルーキーだった昨年、都市対抗で打率.550をマークして首位打者賞に輝き、新人賞にあたる若獅子賞も獲得。社会人ベストナイン三塁手にも選出された。当然、プロのスカウトからも熱い視線を浴びているが、さらに確実性を高めようと右方向を意識した打撃にも取り組む。
 
 その伊藤の同期で左打者の谷 恭兵は、自慢のパンチ力に一段と磨きをかけたという印象。この左右の若きスラッガーを軸に、38歳でコーチ兼任のベテラン・阪本一成も健在の打線は、明らかに破壊力を増している。

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