大阪桐蔭は“最強世代”か。「ネット社会の虚像」、タレント集団ならではの難しさとは
第90回記念選抜高校野球大会が23日、阪神甲子園球場で開幕する。記念大会のため出場校が36校に増加した今大会は白熱した展開が予想される。優勝候補筆頭とされるのは大阪桐蔭。「最強世代」と言われるが、指揮官はその評判をどう見るのか。
2018/03/22
Hideaki Ujihara
最強世代・大阪桐蔭は“過大評価”
昨秋の神宮大会覇者・明徳義塾(高知)を筆頭に同準Vの創成館(長崎)、近畿大会覇者・大阪桐蔭(大阪)など、実力校が顔をそろえて紫紺の優勝旗を狙う。
その中でも、「最強世代」として優勝候補の筆頭に挙げられるのが大阪桐蔭だ。
昨年の覇者であり、U−18代表の藤原恭大や学力優秀で3ポジションをこなす根尾昂、最速147キロのストレートが武器の柿木蓮、長身左腕の横川凱などタレント揃いなのも評価される理由だ。
しかし、大阪桐蔭・西谷浩一監督は「ネット社会が作った虚像。過大評価です」とその前評判に表情は明るくない。
近年、大阪桐蔭は甲子園に出場するたびに「優勝候補筆頭」と言われてきた。「大阪桐蔭を優勝候補に入れておけば予想は外れない」というようなメディアの身勝手な看板のつけ方に辟易しているところがあるのだろう。
思えば、2014年に2年ぶりの夏優勝を果たした時は、それほど大阪桐蔭を推すメディアは多くなかった。あの時に外してからメディアの中では「大阪桐蔭=優勝候補」のような風潮が一気に加速したように思う。
とはいえ、西谷監督が謙遜するのはそのような風潮だけが理由ではない。