高橋純平は5球団競合? プロのスカウトが注目した春のセンバツ”金の卵”
センバツの頂点に敦賀気比が立った。北陸勢としては初優勝になった。優勝投手の平沼は昨夏の甲子園ベスト4の立役者で、今回も注目された好投手。平沼の他にもプロが注目する金の卵は……。
2015/04/02
プロは高橋の能力を高く評価
去年の夏の甲子園、北信越の全チームが初戦突破。ベスト4に敦賀気比と日本文理の2校が残った。そして今回のセンバツの敦賀気比の優勝によって、北信越の高校の存在感を示す大会になった。
さて、ここからが本題だ。今大会で目立った選手、ドラフトで上位指名されるような選手は誰だったのだろうか。
ドラフトで競合上位指名されるだろう『プロ注』という点で言うと県岐阜商の高橋純平投手の一人勝ちだったと言ってよさそうだ。個人でいうと高橋で、チームでいうと松山東の人気が圧倒的だった。この二つの学校が登場した28日は第1試合からかなりの観衆が詰めかけていた。
「ダルビッシュ級、大谷級」という活字がスポーツ紙に踊っていたように高橋に関してはすべてのスカウトが絶賛していた。ある関西球団のスカウトに話を聞いた。
「まず、体格です。身長があって大学生、社会人の選手とそん色ないです。そして、しなやかですよね。
フォームも理想的です。ブレないし、腕が高く惚れ惚れするようなオーバーハンドです。肩が開かないのでボールを長く持っていられる。シフトレバーを搭載していて、アクセル全開で力を入れたストレートと、踏み込み半分で余裕を持って投げるボールと使い分けている。
ゲームの中で調子のいい球種を意識的に使うこともすでに体得しています。またコメントを聞いて、相手のバッターが何を狙っているか察知する頭の良さも感じました。
松坂、寺原、大谷ら超高校級の投手を甲子園で見てきましたが大谷に匹敵する投手だと思います。ドラフトは5球団ぐらい競合するんじゃないですか」
1回戦は「力みがあったのでカーブを投げたら力を抜くことができた」と振り返り、2回戦の近江戦後も、「カーブの調子が悪いし、狙われていたのでストレートとスライダーだけにした」と話している。ゲームの中で修正でき、「狙って三振を取りにいった」場面もあった。話していると、冷静で表現が豊富で理論的。自身を客観視できてクレバーな選手。これほどまでに完成された高校生は、なかなかいない。