設立2年目のBFLで元近鉄V戦士が指揮 06BULLSを例に見る独立リーグから、NPB選手輩出を目指す球団運営
2014年より新たなスタートをきったBFL(ベースボール・ファースト・リーグ)。昨季はリーグから数名がドラフト候補に上がりながら、指名には至らなかった。各球団とも今年こそNPBに選手を、という想いは強い。4月4日に開幕となる。今回は東大阪に拠点を置く06BULLSに焦点を当て球団運営のメソッドを紹介したい。
2015/04/04
東大阪バーチャルシティ
独立リーグは、選手の可能性を広げる大切な場所
近年、独立リーグ出身選手のプロ野球界での活躍が目立つ。日本代表に選出された又吉克樹(元・香川オリーブガイナーズ)をはじめ、2013年のWBCメンバーである角中勝也(元・高知ファイティングドッグス)、楽天イーグルスの開幕一軍メンバーに入った入野貴大(元・徳島インディゴソックス)といった選手達が球界を盛り上げている。
野球選手としてプロを目指せる場が年々限られてきている現況の中、独立リーグの注目度は高まっている。
関西の独立リーグであるBFLに所属する06BULLSは、監督に元近鉄バファローズで長らく活躍した村上隆行。ピッチングコーチに巨人、近鉄、阪神で優勝を経験し、セーブ王のタイトルも獲得した石毛博史を擁している。悲願であるNPBへの選出輩出を標榜し、今期で球団設立から4年目を迎えた。
チームの船出は非常に厳しいものだった。選手募集はもちろん、スポンサー集めから、行政機関との連携、球場・練習場の確保まで文字通りゼロからのスタート。村上と初代06BULLSキャプテンになる永峰由貴の2人で、龍間運動広場でのバッテイングとノック練習から球団の設立が始まった。村上が自身のブログ内で告知を始め、オープンに選手の参加を求めたところ「村上さんと野球がしたい」という野球人が1人、また1人と集まっていく。チーム発足時、単体で行ったトライアウトでは80人を越える志願者が集まった。
村上は当時をこう述懐する。「野球選手は、正しい知識のもと指導を受けられるかによって大きく成長度合いが変わります。日本中には磨けば光る原石はたくさんいる。独立リーグは、そんな選手達の可能性を少しでも広げてあげる大切な場所の1つ。何とかふたたびNPBにチャレンジできる場を作ってあげたかったんです」
東大阪市やスポンサーといった多くの協力者を得て、少しずつチームとしての形を成してきた06BULLSは2012年、2013年と関西独立リーグで、2年連続リーグチャンピオンに。2014年には兵庫ブルーサンダーズ、姫路GoToWORLDの3チームでBFLを構成し、年間優勝を果たした。