名門・法政大再建を託された熱血漢・青木久典新監督 変革のために一歩ずつ
3季連続5位に沈む法政大。新監督に就任した青木久典と、新主将に就任した畔上翔を中心に名門復活に挑む。
2015/04/10
高木遊
出た課題はすぐに潰す
全体的な練習量も増やした。事実として「法政大は練習が緩い」、近年そんな声を聞くことは多々あった。それを青木監督にぶつけると「いつ、誰が悪いとかではなく、やはり練習が緩くなっていたことはあるし、緩かったから弱かったんだと思います」と頷いた。ただ、むやみやたらに量を増やすだけではなく、頭ごなしに助言するばかりではない。
3月下旬に行われた東洋大とのオープン戦後、印象的な場面があった。「4番・三塁」のスタメンで起用されながらも、自らの失策で大量失点を招いた金子凌也(3年・日大三)が、学生コーチとマンツーマンで昼休みを返上し特守を行っていた。
「必ず出た課題を明確にし、それをすぐ潰させるようにしていますね」と話す青木監督。自ら居残り特打などの打撃投手を務めることもある。
「野球が大好きな方という印象です。打撃投手もやっていただきますし、ノックお願いしますと言ったら喜んでやってくれる熱い方なので、恩返ししたいなという気持ちです」と副将を務める佐藤竜一朗(4年・作新学院)は感謝の言葉を口にする。
富士大のコーチ時代を含め、大学野球の指導者を10年続けてきた青木監督は「同じ目線での話し合いも大切」と感じ、相互理解を深める指導も心がけている。
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