佐久長聖、手堅い戦術奏功で勝利 タイブレークに指揮官「その場のひらめき」でバント指示【全国高校野球】
2018/08/06
<第2日 1回戦 ○佐久長聖5―4旭川大高●>
第100回全国高校野球選手権記念大会は6日、阪神甲子園球場で第2日を迎え、第4試合では今大会初採用のタイブレークの末に佐久長聖(長野)が5-4で旭川大高(北北海道)を下して初戦突破を果たした。
旭川大高は3-4と1点を追う9回、1死二塁から中筋大介(3年)がレフト線ギリギリに落ちる同点タイムリー安打を放って4-4の同点に追い付く。なおも2死二、三塁となったが、後続が倒れて試合は今大会初の延長戦に突入した。
しかし、延長12回でも決着つかず、タイブレークを甲子園初適用した。タイブレークは、無死一、二塁から攻撃が始まり、打順は継続。走者は前の打順の2人が務め、投手は1人が15回を超えて投げることはできない。
延長13回は両チーム無得点。そして延長14回、佐久長聖は先頭の真銅龍平(3年)が試みた送りバントがラインを切れず内野安打となって満塁となり、続く上田勇斗(3年)が打った二ゴロの間に三塁走者が生還して5-4とついに勝ち越しに成功する。
直後の旭川大高の攻撃は、先頭の持丸泰輝(2年)が三ゴロで三塁封殺。続く楠茂将太(3年)も二ゴロ、4-6-3と渡って併殺が完成しゲームセットとなり、佐久長聖が歴史的試合で勝利を収めた。
試合後、佐久長聖の藤原弘介監督はタイブレークでの勝利について「厳しい戦いだったが、先頭が本当によく粘って頑張ってくれた。タイブレークの経験が1回ぐらいしかなかったので、どうしようか考えていたが、その場その場のひらめきで『確実に』ということで、13回と14回は送りバントのサインを出した」と振り返りながら、最終的には勝利を掴んだ選手たちを称えた。また、上原怜央(3年)や北畑玲央(2年)など控えのメンバーが活躍したことについては、「昨年度から、春の大会もケガ人がいる中で切磋琢磨して今いる18人が選ばれたので、レギュラーメンバーだけじゃなく2ケタ背番号の選手たちも非常に力があって頼もしい」と語った。
そして、リリーフして好投した北畑は「勝って嬉しい。マウンドに登ってからは、ベンチに入れなかった3年生のためにずっと投げてきた。毎回のように走者を背負って苦しいピッチングだったが、キャッチャーの鈴木(大河)さんの強気のリードに応えようと思って必死に投げた」と3年生への思いを話しながら、勝利の喜びを口にした。
一方、敗れた旭川大高の端場雅治監督は、延長14回に持丸泰輝(2年)に送りバントをさせた場面について「何とか1点取りたくてバントのサインを出したが、地方大会ではバントのサインを出したことがなかった。初球ファールになって、ヒッティングに変えた」と話し、直前の佐久長聖に1点が入った時の守りについては「ダブルプレーの間の1点は構わない。大量失点がなければ取り返せると考えた」と作戦を明かした。
佐久長聖は、第9日の第2試合で行われる2回戦で、佐賀商(佐賀)と高岡商(富山)の勝者と対戦する。