二松学舎大付、強豪相手にも慌てず騒がず 指揮官も感心「よく我慢してくれた」【全国高校野球】
2018/08/12
Kana Yamagishi
<第8日 第1試合 2回戦 ○二松学舎大付5―2広陵●>
第100回全国高校野球選手権記念大会は12日、阪神甲子園球場で第8日を迎え、第1試合では二松学舎大付(東東京)が前年の準優勝校・広陵(広島)を5-2で破り、初戦突破を決めた。
二松学舎大付は初回、1死一、二塁から保川遥(3年)のタイムリー二塁打で2点を先制。前回大会で準優勝した広陵が序盤から追う立場となった。
二松学舎大付は、4回に1点を返されなおも2死満塁のピンチを迎えたが、ここで先発の海老原凪(2年)から2番手の岸川海(3年)にスイッチ。岸川は吉岡広貴(3年)を三ゴロに打ち取り、無失点で切り抜ける。
チャンスを潰した広陵だったが、5回に先頭の福光竜平(3年)がソロ本塁打を放ち、ついに2-2の同点。試合はそのまま終盤に入った。
7回、直前の守りで3者凡退に抑えた二松学舎大付は、1死二、三塁チャンスで右田稜真(2年)がライトへ2点タイムリー安打を放つと、保川もタイムリー安打を放ってこの回3得点。5-2とリードを広げた。
投げては、岸川海(3年)が7回以降は2度の3者凡退に抑えるなど広陵打線にチャンスを作らせず、最後まで投げ切り勝利。2年連続で初戦突破を果たした。
試合後、二松学舎大付の市原勝人監督は「胸を借りるつもりで挑んだが、選手たちがよく我慢してくれた。『最初からもつれる展開を自分たちから望んでたわけだから、慌てるな』と。『なかなか点数を取るのは難しいと思っていたので、粘って守っていくんだ』ということを話していた」と振り返りながら、最後まで落ち着いてプレーし勝利を掴んだ選手たちを労った。
また、7回の右田の勝ち越しタイムリー安打については、「右田はちょっと気負っていたので、どれだけ落ち着いて力を抜いて打ってくれるかなと思っていた」と話し、「打てなくても粘って粘ってということで考えていたので、選手たちもどうしても打ちたいという感じではなかったと思う。だからこそ、あそこでヒットが出たのかなと思います」と、地方大会で打率.375を叩き出した主砲が力を発揮したことを喜んでいる。
その右田は「まだ興奮している。監督からゴロを打てと言われていて、野手の間を抜けて本当に嬉しかった。伸び伸びやらせてもらっている3年生のためにも打ちたかった」と笑顔でコメント。2年生が多くスタメンに名を連ねる中で、指揮官が言うように落ち着いてプレーできているようだった。
二松学舎大付の次戦、3回戦は第12日の第2試合。相手は浦和学院(南埼玉)と仙台育英(宮城)の勝者となるが、市原監督は「元々力のあるチームではない。粘って相手に食らい付いて終盤勝負になってから力を発揮できるように、『落ち着いて野球をやるんだ』と私生活を通じて言っていて、それができるようになっている」と次も気負わず自分たちのプレーを遂行して勝利を狙う。