昨夏準V広陵・中井監督「立ち上がりがすべて」。“チャレンジャー”で挑むも決め手欠く【全国高校野球】
2018/08/12
Kana Yamagishi
<第8日 第1試合 2回戦 二松学舎大付5-2広陵>
広陵(広島)が初戦で姿を消した。
昨夏の準優勝時のメンバー6人を擁するが、“チャレンジャー”として挑んだ夏。打線がつながらず、二松学舎大付(東東京)に敗れた。
「子どもたちが力を出すことができなかった。監督の責任」。中井哲之監督は視線を落とした。
西日本豪雨の影響で地方大会の中で最も遅い開幕となった広島大会。連日、テレビや新聞で被災地のニュースが伝えられ、指揮官は「野球をしてもいいのかな」と考えたという。だが、「みんなに元気を与えるようなプレーをできたら」と大会に臨んだ。
被災地には満足に練習できない学校もあった。そんな広島大会を制し、甲子園出場を決めた広陵。しかし、1勝は遠かった。
地方大会は後攻で勝ち続けてきたが、この日は先攻。6人の左打者が並ぶ広陵打線に対して、二松学舎大付の先発は左腕・海老原凪(2年)だった。先制を許した広陵は、海老原を打ちあぐね、2回、3回と得点圏に走者を進めたが決定打に欠いた。
「スライダーを上手に打たされた」と敗因を語った中井監督。4回にようやく1点を返し、5回に3番・福光竜平(3年)のソロ本塁打で同点に追いついたが、7回に勝ち越された。
「立ち上がりがすべてかもしれないですね」。昨夏、チームを準優勝に導いた指揮官は、甲子園の難しさをそう語った。
取材・文 山岸佳奈