日大三、継投支えた捕手が貴重なタイムリー 指揮官も絶賛「あれが大きかった」【全国高校野球】
2018/08/15
Kana Yamagishi
<第11日 第3試合 2回戦 ○日大三8―4奈良大付●>
第100回全国高校野球選手権記念大会は15日、阪神甲子園球場で第11日を迎え、第3試合では日大三(西東京)が奈良大付(奈良)に8-4で勝利し、優勝した2011年以来となる3回戦進出を果たした。
日大三は初回、奈良大付の先発・木村光(3年)から中村奎太(3年)から2点タイムリー安打を放ち先制すると、3回には小沢優翔(3年)のタイムリー安打で1点を追加した。
一方の奈良大付は0-5と5点を追う6回、1死一、三塁とチャンスを作ると、ここで4番の上野拓真(3年)が日大三の2番手・河村唯人(3年)から左中間スタンドへ3ラン本塁打を叩き込んで5-3と2点差に迫った。
再び突き放したい日大三は8回、2死二塁から佐藤英雄(2年)がセンターへタイムリー安打を放ち6-3と3点差に。さらに、9回には高木翔己(3年)がレフトスタンドへ2ラン本塁打を放ちさらに2点を追加して8-3。
投げては、河村が1死一、三塁から併殺を狙った内野陣のエラーで1失点したが、そのままリードを守って8-4で勝利。これが東京勢甲子園通算300勝目になるというおまけ付きで、優勝した2011年以来7年ぶりの3回戦進出を決めた。
試合後、日大三の小倉全由監督は「警戒していた打者をしっかり抑えてくれて、良い野球になったと思う」とコメント。一時2点差に詰め寄られた後の攻撃には「あれ(佐藤英雄のタイムリー)は大きかった。それに高木の本塁打も良く打ってくれた」と話し、「(奈良大付の)木村君の縦の変化が心配で、低いワンバウンドの球も手を出してしまったが、気を付けてベルト(付近)に来たのをしっかり打っていこうと選手たちに言っていた」と着実に得点を重ねられた要因を語った。
投手陣では、西東京大会で登板の無かった井上広輝(2年)が先発し、わずか3回で降板しながらも無失点。速球は150キロも計測したが、指揮官は早めの降板について「あれ以上投げて力むのは(良くない)。練習で投げる70球と公式戦で投げる30、40球は1球1球が違う。今日は良く投げたということで、河村に代えた。本塁打はなければ良かったが、しょうがない」と選手の経験値と状態を見極めた上での継投判断を明かした。
そして、「今まではゴーサインを出す勇気が無かったが、あれだけ良いピッチングをしたので、これからは投手の中の1人として全力でやってくれると思う」と期待を込めている。
一方、8回に貴重なタイムリーを放ち、守っても捕手として井上、河村をリードで引っ張った佐藤英雄は「最後のアウトを取ってホッとした。9回は球場全体の雰囲気が変わって、やっと抑えられた」と話し、「先発の井上は先頭を出した以外は全て良かった。河村投手は頼もしくて、こっちが引っ張られるくらいだった。この後も粘り強く集中して戦っていきたい」と2年生捕手として次戦への意気込みを語った。
日大三の次戦、3回戦は第13日の第4日。相手は龍谷大平安(京都)と八戸学院光星(青森)の勝者となっている。