浦和学院、“大谷そっくり”渡邉が10K完封 森監督も初完投に情「彼が行かせてほしいと」【全国高校野球】
2018/08/16
Kana Yamagishi
<第12日 第2試合 3回戦 ○浦和学院6―0二松学舎大付●>
第100回全国高校野球選手権記念大会は16日、阪神甲子園球場で第12日を迎え、第2試合では浦和学院(南埼玉)が二松学舎大付(東東京)を6-0で下し、32年ぶりのベスト8進出を果たした。
浦和学院は、投球フォームが大谷翔平投手(エンゼルス)そっくりの先発・渡邉勇太朗(3年)が初回の1死二、三塁のピンチを背負うも、4番の保川遥(3年)と5番の畠山大豪(3年)連続三振に打ち取り無失点で切り抜ける。
攻撃では、3回に1番の中前祐也(2年)がセンターへのタイムリー三塁打で先制点を挙げると、続く矢野壱晟(3年)もタイムリー安打を放ち2点目。
先制を許した二松学舎大付は4回、連続安打で無死二、三塁としたが、ギアを上げた渡辺の前に2三振を含む3者連続アウトに打ち取られ反撃できない。
逆に浦和学院は5回に矢野がタイムリー安打を放つと、その後も2点を追加。6回にも犠飛で1点を加え試合を優位に運んだ。
大量援護をもらった渡邉は、8回まで投球数98球。9回は先頭打者からこの日10個目の奪三振をマークするなど3者凡退に抑えて、6-0での完封勝利。浦和学院のベスト8進出は、鈴木健氏を擁して初出場しベスト4まで勝ち進んだ1986年以来32年ぶり。
試合後、浦和学院の森士(おさむ)監督は、打っては2桁10安打を放っての完封勝利に「選手が良く頑張ってくれた」と第一声。球数少なく109球で完封した渡邉について「継投を考えていたが、高校生活初めて完投をしたと思う。頼もしい投球をしてくれたと思う」と話し、「(完投理由は)球数自体が少なかったのが一番。最後は彼自身が『どうしても行かせてほしい』と言ったので、そこに情が出た」と笑顔で右腕の力投を称えた。
4回の無死二、三塁の場面で2連続三振。ここでは一層力の込もった投球があった。指揮官は「走者を背負ったところからギアが入ったかなと。そういう面では彼の成長の一端を見た」と納得の表情。
攻撃では、2巡目に入って二松学舎大付の左腕・海老原凪(2年)を捉えた。これに関しては、左投手を1年間苦にしているところがあり「とにかくそこを克服しないことには上に進めないよ」と選手には言い聞かせたと言い、「今日が今年の過渡期だった。左投手に対してセンター中心に打ち返してくれた」と安堵のコメントを残した。
一方、指揮官にもその投球を絶賛された渡邉は「今日は打たせて取ることを心掛けた。立ち上がりのピンチもピンチには燃えるタイプなので集中していった」と振り返った。途中、雨や風が強くコンディションが悪かったが「気にせず集中した。打線も点を取ってくれて、上手く噛み合った」と悪天候に左右されず自身の投球ができたことに満足そうだった。
浦和学院の次戦となる準々決勝は、第14日の第1試合に組み込まれた。森監督は「昨年、同じ埼玉勢が100年の歴史の中で初めて優勝旗を持ち帰ってくれた。彼らに負けないように僕たちも一戦必勝で頑張りたい」と花咲徳栄に続いての県勢連覇へ向けて意気込んでいる。