済美・山口直哉「四国対決負けられない」 3戦連続完投で合計414球。次戦は報徳学園【全国高校野球】
2018/08/16
Kana Yamagishi
<第12日 第3試合 3回戦 ○済美3―1高知商●>
第100回全国高校野球選手権記念大会は16日、阪神甲子園球場で第12日を迎え、第3試合では済美(愛媛)が高知商(高知)を3-1で破り、14年ぶりのベスト8を決めた。
試合は、ともに2試合連続で完投している済美先発・山口直哉(3年)と高知商の北代真二郎(3年)による両エースの投手戦となった。
4回まで両チーム無得点と緊迫した展開の中、済美が5回に2死一、三塁から芦谷泰雅(2年)がタイムリー安打を放ち1点を先制。さらに7回に無死一塁から中井雄也(3年)が送りバントの構えから右中間へバスターエンドランを決めて、一塁走者が一気に生還。さらに1点を加えて3-0とリードを広げた。
追う高知商は、山口直哉を捉えられず反撃できなかったが、7回に先頭の藤高祐一郎(3年)が右前安打を放ち出塁すると、その後2死三塁として、北代が中前へタイムリー安打を放ちようやく1点を返した。
しかし試合はそのまま9回に進み、済美は山口直哉が続投。高知商は2死からを藤田昂志郎(3年)が右前安打で出塁すると、北代もショートへの強襲内野安打で続き一、三塁。しかし、最後は山口直哉が浜田麟太郎(3年)をこの日の121球目で左飛に打ち取ってゲームセット。済美が3-1で「四国対決」を制し、準優勝した2004年以来14年ぶりの準々決勝進出を決めた。なお、3試合連続完投の山口直哉はこれで今大会3試合で計414球を投げている。
試合後、済美の中矢太監督は「(最後のアウトを取って)ホッとした」と安堵の表情を見せた。試合前には「何とか今日、力を合わせて去年を越えよう」と話したといい、「厳しい試合だったが、無事に勝てて良かった」と、3回戦で盛岡大付(岩手)の前に敗退した昨年の悔しさを晴らす勝利に喜びを語った。
強打の2試合連続で2桁得点を挙げている高知商打線に対して8安打1失点に抑えた山口直哉について、「良い打者がたくさん揃っている高知商打線だが、自分の良いボールを投げていこうと送り出した。インコースの真っ直ぐを上手く使って、低めに投げたスライダーとチェンジアップも良かった」と評価。「粘り強く、山口を中心に守り切れた」と接戦で1失点に抑えた守備を称えた。
また攻撃では、序盤は北代の「打者の手元で動く球」を捉えきれなかったが、7回にはバスターエンドランを決め追加点を取った場面を「中井はああいうのが上手い選手。思い切って振って良いところに飛んだと思う」と話し、終盤に大きな1点を取って流れを引き寄せた場面を振り返っている。
一方、121球を投げ抜いてチームを勝利に導いた山口直哉は「四国対決で負けられないと思っていた。この夏に向けてコントロールを磨いてきて、力が出せた」とコメント。「得に良かったのは先頭打者を出さなかったこと」と話しながら次戦へ向けての意気込んだ。
勝った済美の次戦、準々決勝は大会第14日の第2試合。相手はこの日第1試合で愛工大名電(西愛知)に勝利した報徳学園(東兵庫)となった。