【きょうの甲子園・第13日】ベスト8決定へ、剛腕・吉田擁する金足農は横浜と対戦。日大三と龍谷大平安が激突
2018/08/17
第100回全国高校野球選手権記念大会は17日(第13日)、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で3回戦4試合が行われる。
■第1試合(8時00分):近江(滋賀)- 常葉大菊川(静岡)
好調同士の対決だ。1回戦で優勝候補の智弁和歌山を制して勢いに乗る近江は、4枚の投手陣の起用法がポイントになる。チームトップの2試合9回1/3を投げている林優樹を軸に相手の打線をどう封じ込めるか。打線は主砲・北村恵吾が好調をキープ。1番・木村龍之介、2番・土田龍空の出塁が鍵を握りそうだ。
対する常葉大菊川は1回戦の打撃戦を制し、2回戦の日南学園戦では接戦を制して完封勝利。伝統のフルスイングを武器とした攻撃力も魅力だが、守備の安定感が光る。遊撃手の奈良間大己は攻守にわたって鍵を握る。打撃戦より投手戦に持ち込み、近江の投手陣から少ないチャンスをものにしていきたい。投手陣はエースの漢人友也が2回戦ではストライクゾーンにどんどん投げ込み、88球の完封勝利を挙げた。
■第2試合(10時30分):金足農(秋田)-横浜(南神奈川)
金足農のエース・吉田輝星を横浜打線がどう攻略するか。
エース吉田は2試合27奪三振と圧巻のピッチングを見せている。前回登板で154球を投じた疲労が心配される。だが、吉田を中心としたチーム力も見逃せない。吉田の投球に応えるように打線も奮起する。チームスポーツとしての戦いを見せてくれる。
横浜は2回戦で昨夏覇者の花咲徳栄(北埼玉)を破った。投手陣は板川佳矢、及川雅貴、黒須大誠の3枚をそろえる。1、2回戦では先発を変えてきたが、この試合は誰を起用するのか。打線は1番・山崎拳登、3番・斉藤大輝が好調だ。いまだ9打数無安打の4番・万波中正を内海貴斗が援護して、打線は機能している。さらなる上位進出へは主砲の復調が鍵。
■第3試合(13時00分):下関国際(山口)-木更津総合(東千葉)
1球が試合を分ける渋い試合になりそうだ。
下関国際は、ここまで2戦とも接戦を制して勝ち上がってきた。9回に同点に追いつく粘り腰で、最後まで音を上げない精神的な強さを見せている。エース・鶴田克樹が大崩れしないのが大きい。少ない失点で後半勝負と考えているからだろう。打線はその鶴田がまだ本調子ではない。1番・浜松晴天、2試合で3安打の甲山達也らでチャンスメークして、鶴田の一打に期待したい。
木更津総合はエースで4番の野尻幸輝が大黒柱。打線は1番・東智弥が好調でいいリズムを生み出している。3番・山中稜真もしっかり打線をつなぎ、7番・大曽根哲平は2試合で4打点の活躍を見せている。投手は野尻が先発して、スピードボールが持ち味の根本太一がクローズしてきたが、ここでは起用法の変更もあり得るかもしれない。
■第4試合(15時30分):日大三(西東京) ―龍谷大平安(京都)
日大三は打線が好調で2試合連続二桁安打をマークしている。U-18代表候補の日置航に当たりが出ていないものの、1回戦の折尾愛真戦でホームランを放った大塚晃平が日置を援護している。投手陣は2試合に登板した左腕の河村唯人を軸としながら、エースの中村奎太、2回戦で初先発した井上広輝などを上手く起用したい。
龍谷大平安は2回戦の八戸学院光星戦で理想的な試合を展開した。1番の水谷祥平、3番・松本渉、主砲の松田憲之朗と上位打線が活発だ。投手陣はエースの小寺智也が安定したピッチングを披露している。1回戦で救援した左腕・北村智紀も原田英彦監督からの信頼が厚く、勝負所での起用もあるだろう。
存在感のある指揮官同士の対決となる。温かく見守る日大三・小倉全由監督と厳しい視線を送る龍谷大平安・原田監督。両極にある指揮官はいかなる采配を振るうか。
文・氏原英明