大阪桐蔭“クローザー”柿木蓮、今大会最速151キロで放つ強烈な存在感。数字が示した勝利へのこだわり【全国高校野球】
史上初2度目の春夏連覇を目指す大阪桐蔭(北大阪)。18日の浦和学院(南埼玉)との準々決勝は4本塁打と強力打線が火を噴き、11-2で準決勝進出を決めた。藤原恭大、根尾昂とタレントぞろいのチームにおいて、背番号1を背負う柿木蓮が“クローザー”として存在感を放っている。
2018/08/19
Kana Yamagishi
大阪桐蔭の強さ、勝つためにポジションは厭わない
大阪桐蔭はその両面をチームづくりの中で実践している。
柿木はこれまで2年半、クローザーを務めるために練習をしてきたわけではなく、上の世界でも通用するような技術・体力・精神力を鍛えてきた。そして、今大会を迎えた。
この日の準々決勝の浦和学院(南埼玉)戦、5回終了時点までの試合展開は接戦だった。大阪桐蔭は1点をリードしていたが、相手投手の渡辺勇太朗は質の高いボールを投げており、僅差のゲーム展開ではあった。
先発・根尾昂が落ち着いたマウンドさばきでゲームをつくった中、同時に試合を締めていくというのも必要なことだった。
結果的に6回表に大量6点を奪って、試合は優位に働いたが、その裏から投入の指示を受けていた柿木は試合を締めるべくマウンドに向かった。
「6回のマウンドに登る前、キャプテンの中川から『流れを渡せないぞ』と言われて、そのつもりだったんで、気持ちを強く持ってマウンドに行きました。去年3回戦で逆転負けをして、ワンプレーで流れが変わるというのを僕も中川も経験して、1球の大事さというのを徹底している。甲子園はお客さんも入っていますし、流れは変わりやすいので、1球1球大事に投げています」
柿木は今大会で最速の151キロのストレートを投げている。
それがクローザーとして登板した際に記録したというのは決して偶然ではない。試合を締めるために全力を出した中で計測されたのだ。数字は想いの強さなのだ。
「先発とは違う気持ちでいかないとやられると思います」
柿木はこう話す。
勝つためにどのポジションも厭わず、それぞれが力を発揮していこうとするのが今の大阪桐蔭の強さだ。
“クローザー・柿木”。3年ぶりのベスト4進出において、強烈な存在感を見せている。
文・氏原英明