大阪桐蔭、史上初2度目の春夏連覇へ王手 西谷監督「63人全員で必ず日本一を」【全国高校野球】
2018/08/20
Kana Yamagishi
<第15日 第2試合 準決勝 ○大阪桐蔭5―2済美●>
第100回全国高校野球選手権記念大会は20日、阪神甲子園球場で第15日を迎え、準決勝第2試合では大阪桐蔭(北大阪)が済美(愛媛)に5-2で勝利し、4年ぶりの決勝進出を果たした。
エース山口直哉(3年)を中心に勝ち上がってきた済美は2回、その山口直哉が右前へタイムリー安打を放ち1点を先制。一方の大阪桐蔭は、準々決勝まで計471球を投げている山口直哉を4回に捕まえ、1死二、三塁のチャンスから山田健太(3年)が左前へタイムリー安打を放って同点に追い付く。さらに相手捕手のパスボールで1点を追加し2-1と逆転に成功した。
済美は5回、1死一塁から芦谷が三ゴロを放ち、サードの中川卓也(3年)が一塁へ送球する間に一塁走者の矢野功一郎(3年)が一気に三塁へ。それに気付いたファーストの石川瑞貴(3年)が三塁へ送球するも、これが悪送球となって矢野はボールが転々とする間に本塁へ生還。これで2-2の同点とした。
執念を見せる済美に対して、大阪桐蔭もその力を存分に発揮。同点とされた直後の攻撃で、2死満塁のチャンスを作れば、石川瑞貴(3年)が中前タイムリー安打を放って2点の勝ち越しに成功。その後も相手のエラーによって加点した大阪桐蔭は、5-2と試合を優位に運ぶ。
試合はそのまま柿木と山口の投げ合いで9回まで進み、柿木は155球の熱投で今大会自身2度目の完投。大阪桐蔭が5-2で済美を破って、優勝した2014年の第96回大会以来4年ぶりの決勝進出を果たすとともに、春夏連覇へあと1勝とした。
済美は、山口が最後まで投げ抜いたが、打線が6回以降は相手の好守もありチャンスの芽を摘まれるなど無得点。2004年以来14年ぶりの決勝進出は叶わなかった。
試合後、大阪桐蔭の西谷浩一監督は、「いよいよこの舞台が来たなという気持ち。今日勝てたことで自信を付けたい」と春夏連覇へ向けてあと1勝に迫った心境を力強くコメント。試合を振り返ると、「苦しい試合になった」と話し、「敵ながら、相手の山口君のピッチングが涙が出るくらいの粘投で、だからこそ柿木が火が付いた」と両投手の投げ合いを称えた。
特に柿木については「状態は良くなかったが、その中で背番号「1」を付けたプライド、昨年からの経験、バッテリー小泉(航平)とのコミュニケーション、守り、色んなところで粘って投げてくれたと思う」とエースの成長ぶりに納得の表情を見せている。
そしてその柿木は、指揮官と同様「状態は良くなかった」とコメントしたが、「走者を出しても、センターの藤原(恭大)やみんなが守ってくれて頼もしかったので、思い切って投げようと思った」と仲間に支えられての完投を喜んだ。味方打線が5回に勝ち越し点を取ったことで気合いが入ったといい、「自分も後半は粘らないといけないし、任せきりではいけないと、良い意味で『1人でやったろう!』という気持ちで投げた」と6回以降2安打に抑えた好投を振り返っている。
明日は初優勝を狙う金足農(秋田)との決勝戦。柿木は「自分が投げなかったとしても、最高の相手だと思っている。全力で倒しにいくだけ」と力を込め、また指揮官も「昨年の今日に新チームをスタートし、『絶対に春夏連覇しよう』ということを誓った。やっと決勝戦まで来たので、ここまで来たら(部員)63人全員の力を合わせて必ず日本一になりたいと」意気込みを語った。